道具のゆくえ
【 小物 】


@ 水筒

容量 1リッター アルミ製で内面がホーローびきになっているものです。口栓はバネでパチンと閉まるやつです。
金属製なので凍ってしまった時など直接火にかけて解かす事ができます。 また一人ぼっちで寒い時など湯たんぽにするのに便利です。
使っているうちあちこちぶつけ、だんだんへこんできます。へこみ過ぎて容量が小さくなってくると、水を入れ冷蔵庫で凍らせ氷の膨張で膨らませます。 でもこまめに動かさないと片面だけが膨らんでしまったりします。
私は無精なので冷蔵庫に入れっぱなしで忘れてしまう事が多く、一部分だけ異常に膨らんでいます。チョット人様にお見せするのが憚れるくらい変テコな形になっています。 でも実用上は全くの No problem. 今も愛用しています。

最近はペットボトル飲料が豊富で凍らせる事さえなければ、これが充分使えます。 子供にはいつもペットボトルを持たせています。
昔、水筒を忘れ一人ででかけたことが有りました。 仕方が無いのでガソリンを入れたポリタンを空け(ブスのタンクに入るだけいれ、後は捨てた。)それを水筒替りにしましたが、臭い事、臭い事。そのうちガソリンのゲップが出る始末。 ポリタンの水の替りにエビノシッポをかじるようにしましたが、これがまた埃っぽくて口の中がジャリジャリに。 さんざんなめにあいました。
今なら自販機で\160のお茶を買えば即水筒。2本買っても\320。良い世の中になったものだ。

水漏れ (2007.5.27 追加)
先々週、5/12の御在所通いで下山時にザックの濡れに気付いた。無理やりザイルを押し込んだ為水筒の口が開いたのかと思い込んでいた。
先週の5/19は帰りに土砂降りに遭った為の濡れと思っていた。
そして昨日、5/26も途中でザックの濡れに気付き、休憩時に水筒の蓋を確認したが空いた形跡は無い。濡れている底の部分を見ると、拭っても直ぐ水滴が付く。ヒビか小さな穴が開きそこから漏れているようだ。底の部分なので岩に当たった為とは考え難い。35年も使わせて頂いた物なので寿命と諦めるか。来週からはペットボトルを水筒代わりにするか。…わざわざ身銭をはたいて新調する気は全くないのである。
それにばね式の蓋はもう売られていないようだ。スクリュー式は冬場凍ってしまったら始末が悪い。それならペットボトルで充分である。
それともガムテープでも貼って漏れを防ぐか。幸いジワジワと染み出す程度である。ガムテープで充分のような気もする。(ガムテープは強力である。実際ファルトボートなどは川底で擦れ、艇体が破れた時などガムテープで応急処置をする。)

帰宅後ひとつのアイデアが浮かんだ。樹脂をこの穴に染み込ませて固めてしまうのである。樹脂の代わりにプラモデル用の接着剤を使えば出費はゼロで抑えられる。確か子供の机の中にあった筈。
まるビ親爺はこういう事には頭の回転が速いのである。
そして水漏れ箇所を再確認。マジックインキで印を付け乾燥させる。充分乾いた所で外から接着剤を穴に染み込むように塗る。その上からも重ね塗り。完全に固まったら保険の為にガムテープも貼っておこう。

さあこれでどうかな? 来週が楽しみです。
あっ、私の事をケチンボと思わないで頂きたい。捨てればゴミです。使い続ければゴミにはなりません。涙ぐましい努力でエコロジーに努めているのです。


A ライター

私、若い頃は煙草を喫っていました。 山でも休憩の時よく喫っていました。
煙草の葉は止血剤になるので、怪我をした時の為とこじつけて必ず持っていました。
(大抵止血剤になる前に煙になってしまいましたが。)

煙草を嗜むには火が要ります。皆は100円ライターを持っていましたが、私は風に強いという理由で(殆ど変らないが)Zippoを愛用していました。
数名で富士山に行った時、山頂の社務所の陰でツェルトを引っ被り休憩。 ブスを点けようと自慢のZippoをポケットから出す。「あれ? 点かない。」 何度やっても点かない。 空かさずY子(今のかみさん)が100円ライターを出す。こちらは一発点火。
「クソッ、してやられたり。」 それ以来、冬はダテのZippoは持って行かなくなりました。
あのZippo 何処へ行っちゃったんでしょうねえ?

そして今はトーチ型のライターを使っています。100円ライターをグリップにセットし圧電着火式です。ゴーっと音をたて青い炎が1cm程出ます。どんなに風が強くても炎が飛ばされる事は有りません。燃料がブタンなので低温には弱いのですがポッケで暖めておけば問題有りません。 またガスが切れても圧電の火花は出るのでガスバーナーに点火できます。


B マグカップ

以前はホーローカップを使っていました。 直接火にかけられるので休憩中にお湯を沸かしたり、ビバーク時にキャンドルでお湯を温める等によく使いました。 直接口を着けてもコッファーのように熱くないので重宝しました。
あちこちホーローが欠け、赤錆が出ていたのでいつの間にか捨てられてしまったようです。
ハイキング再開時、飲み口が熱くないものを。と探したらステンレスカップがあったので今はこれを使っています。 二重構造で保温性は良いのですが、火にかけられないのが難点です。
ビバークなんてすることないから、まあいいか。


C ナイフ

エサの獲得合戦用の武器としてフォークとスプーンのついたナイフと、緊急時のヒモのカット用ナイフの2本をいつも持っていました。
エサ用ナイフは専らフォークとスプーンしか使っていませんでした。時々ワインのコルク抜きも使いましたが上手に抜けず、よくコルクを壊してしまい瓶の中に押し込んで飲む事が多かったように思います。
この最も重要なナイフが行方不明で、いつもコンビニで割箸を貰っています。山へ行く人にはエコロジストが多いのでこんな事を書くと顰蹙をかいそうです。
緊急用のはビクトリノックスの大と小しか付いていない最もシンプルなヤツです。 これは先日車の中で見つけました。キャンプの時によく使ったのを思い出しました。
この手のナイフは陶器の裏側の釉薬が付いてない所で研ぐと切味が戻ります。皆さんご存知とは思いますが・・・。
そして今携行しているのは、やはりビクトリノックス。 残念ながらエサの武器は付いていません。 万一の為にいつも持っていますが、使う機会が全く有りません。ハイキングでナイフなんて要らないのかも。


D アイゼンバンド ('06.02.12 追記)

山を始めた頃、アイゼンバンドは全て一本締めでした。長さ1m程、幅1.5cm程の化繊製のテープの片側に金属製のバックルを付けたものです。
これをアイゼンの端に付けられたリングに通して靴に固定していました。
ですからアイゼンを着けるとなると結構時間がかかりました。冬はどんな時も素手になる事はタブーです。手袋を着けたままの作業は慣れた者にとっても面倒なものでした。
着けたり外したりが面倒だった為、一度着けてしまうと最後まで着けっぱなし、という癖が染み付いてしまいました。
そんな時、固定バンドが現れました。殆どの人がまだ一本締めだった頃に私は早々と固定バンドを使い始めました。この便利さはホント感動ものでした。
但し岩登りでは岩での擦れが激しく、固定バンドは擦れる所がいつも同じなので切れ易いという欠点があります。一本締めの場合、締める度擦れる位置が違ってくる為長持ちします。(固定バンドもこまめに擦れる場所を移動すればそこそこ長持ちします。)それで予備はいつも一本締めアイゼンバンドを持ち歩いていました。
一本締めアイゼンバンドはワカンの固定にも使えます。またバックル付きの紐であるため、色々と応用が効き、いざと言う時なにかと重宝なものでした。
昨日('06.02.11)御在所で知人から聞いた話では、今はもう山道具屋では扱っていないそうです。
今ではワンタッチアイゼンが一般的で、吹きさらしの中長時間アイゼン装着に悪戦苦闘する事も無くなったようです。
おまけにワカンも専用の固定バンドがあるそうです。便利には違いありませんが、ヘビーデューティーに使える一本締めが無くなってしまったのを、なんとなく寂しく感じるのは私だけでしょうか。
昔は予備用に一本締めを常に持ち歩いていました。そして自宅の道具入れの中にも何本かは常にありました。ところが今はワカン用に使っているもの一組しかありません。買い足す事も出来ないので大事に使わないといけません。


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