ニセアカシア
5月の青空の下に咲く白い花




20040428

「あっ、もう咲いてるんだ!」
通勤途中、車窓を流れる景色にハリエンジュの花を見つける。
「もうそんな季節か! つい先日まで葉っぱも出ていなかったのに。」
いつも季節の移ろいに追いたてられているような気がする。
若い頃は来る季節を待ちわびていたのに、歳とともに毎日同じ事の繰返しの中に埋れている自分に気付く。

ハリエンジュと言うとクマンバチを連想する。爽やかな5月の空の下、若葉の中に大きな葡萄の房のように垂れ下がった白い花。辺りに漂う甘ったるい香り。そして花の周りでホバリングするクマンバチの大きな羽音。
夏に向けて躍動感溢れる力強い情景が思い浮かぶ。
秋の金木犀ほどの強烈な匂いではないが、この花が好きだ。金木犀は感傷的になり気が滅入ってしまう。
この後卯の花と続いて夏を迎える訳だが、香りの無い卯の花と違って離れていても漂ってくる香りは心を浮き立たせてくれる。
空き地、山地に自生しているのが殆どだが花期の今なら難なく見つける事ができる。そして元気をいっぱい与えてくれる。

末娘のポリーとの愛知池一周の散歩もよく思い起される。
少々汗ばむくらいの陽気でも吹く風は冷たく、にじんだ汗を拭い去って行く。
辺り一面ハリエンジュの香りが漂い、そこらじゅうクマンバチが飛んでいる。刺激しないようにそうっと抜け去ろうとするがよくクマンバチに纏わりつかれた。
黒い所を狙ってくると言われているので、いつもカラフルな帽子を被っていた。案外帽子を花と間違えて付いてきてたのかも知れない。

ハリエンジュと言うよりニセアカシアと言った方が通りは良いのかな?
アカシアの黄色い花とは全く似てもいないのに、なぜこう呼ばれるのか不思議だ。

明日からゴールデンウイーク。車が来たら試乗会を兼ねてかみさんと一緒に調布までてんちゃんを拉致しに行こう。ニセアカシアの並木の下を駆け抜けて。



2004年04月29日11時20分00秒


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