禁句


20050306

余計な一言でばつの悪い思いをする事は毎度の事ですが、「言わなきゃ良かった。」と後々まで尾を引く事が何度かあります。そして事ある毎にそれを思い出し気に病んでいます。

T哉の大学受験の頃、何かの拍子に「県外には遣ってやれんなあ。」
極軽い気持ちで言ったつもりでも、子供にとってはそれが至上命令と思い込んでしまったようだ。
かみさんが後で「どうしても行きたいのならお父さんだって許してくれるよ。」と取り繕ってくれたのだが、もうT哉の耳には入らなかったようだ。
そのくせ出来の悪いS司はちゃっかりと東京暮らしをしている。留年というおまけまで付けて。

T哉が中学1年のクリスマス、冗談かと思っていたら本気でまだサンタさんを信じていたらしい。
いくらなんでも知っているだろうと余計な一言。

「たった一人で一晩の内に世界中の子供にプレゼントが届けられるか?」
「雪も無いのに橇で走れるか?」
「UFOじゃ有るまいし反重力装置でもなきゃ橇で空が飛べるか?」
「費用は誰が負担してるんだ?」

うすうす変だとは思っていたようだが、畳掛けられて全人格を否定されたような気になってしまったのだろう。
僕は僕で、後でかみさんにボロクソに叱られた。
S司は横で「そんなもん親がやってるに決まってるじゃん。」下の子は醒めたもんである。


同じくT哉中学3年の時、「今年は高校受験に専念したいからスキーはやらない。」
これもずっと以前私がなにげなく言った言葉のせいらしい。

「スキーじゃ飯は食えんからなあ。」

T哉が自分で決めた事なので尊重はしたが、かみさん曰く、

「勉強して入っても、好きな事(スキー)して推薦で入っても結局同じ高校へ入るんなら楽しい方が良いのにねえ。」


どうも私には夢が無さ過ぎる。なにげない一言一言が子供達の可能性の芽を摘んでいるようだ。未熟な親が育てるのでどうしても最初の子は失敗作品になってしまう。

でもひとつだけ自信を持っている事があります。
二親共いまだかつて子供達に「勉強しなさい。」と言った事はありません。両親とも学歴なんて無いし、蛙の子は蛙。とんびが鷹を産む訳が無い。
教育熱心なご父兄達と接している先生方には、私達は奇異に映るようだ。

子供が中学の夏、海外合宿の為学校に許可を取りに行くと、

「本当に行かせるのですか? 他所のお子さん達はもう受験勉強に入ってますよ。」

大きなお世話だ。あんたの子じゃあるまいし。第一海外行くのに学校の許可が要るって事自体理解に苦しむ。

そのくせ大会で入賞し新聞社から連絡が入ると掌を返したような態度。しっかり勉強して良い学校に入っても行き着く先があんな人間じゃあ余計勉強なんてしたくなく無くなるだろうに。

親がお手本。いつも本を読んだり調べものをしたりしていると子供も真似て自ら勉強するようになります。


でも最近T哉の様子がおかしい。家ではTVゲーム(グランツーリスモ)をやっている姿しか見ていない。中学、高校と皆がやる時にやらなかった為そのツケが回ってきたのだろうか。
私もかみさんもゲームが嫌いでは無いので左程気にはならないが・・・。

−−−結婚前、富士通のFM-8というPCを買いました。当時はBasicかマシン語しか動かすものがなく、雑誌に載っているゲームのマシン語を入力し遊んでいました。インベーダー、パックマン、ギャラクシアンetc.etc.
専らマシン語の入力は今のかみさんがやってくれました。当時私のアパートはかみさんの通学途中にあったので。
個人山行の時などうちに集まってから出発って事も度々ありかみさんはうちの鍵も持っていました。
うん、結構青春してたんだなあ。−−−

この子供の生活態度について一言言うべきか言わざるべきか。
それが問題だ。
過剰反応で可能性の芽を摘むのも本意では無いし・・・。


2005年03月06日


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