木曜の夜、調べものも早々にすませ床に就く。
睡眠導入剤替わりにTVを点ける。最近のTV番組って面白みの無いものばかりですね。おかげで睡眠薬替わりにピッタリ。NHKの特集や【その時歴史が動いた】なんてのはつい引き込まれて睡眠薬にはなりません。
チャンネルを切替えてなにげなく見ていると、なんだかしっくりと落着いた気持ちの良いドラマに行き当たりました。
「なんだか【北の国から】のような雰囲気だな。」
エンディングの字幕で倉本聡の名前が…。 「やっぱり!」
【北の国から】はかれこれ20年近く前に毎週の連続番組で登場しました。その後年1回か数年に1回のペースで出演者の成長に合わせるかのようにストーリーが展開し、数年前の最終章で完結しました。しかしその続編を待ち焦がれているのは私だけでは無いでしょう。(もう続編は無いと確信はしているのですが。)
我が家の子供達が中学の頃、国語の教科書に【北の国から】の一部分が掲載されていました。僅か数分の1シーンにも数ページに渡り克明に心の動きが記されており、「脚本とはこのようなものなのか!」と驚いたものです。そしてそのシーンが鮮明に思い起こされたのを覚えています。
同時に「果たして今の中学生達にこれらの心の動きが理解できるものだろうか?」と疑問に思ったのも覚えています。
倉本聡は脚本で見せる力のある人だと思います。こういった作品はとても好きです。これとは別に実在の人物、史実に基づいたストーリーで人を魅了する作品もあります。これらもまた違った面で楽しませてくれます。
【プロジェクトX】もドキュメンタリーながらも登場するヒーロー達の人間のドラマを見せてくれます。尤も感動したのは初めの頃だけで今はもうネタ切れのようですが。
中でも、30年も前に石原裕次郎が映画化した【富士山頂】【黒部の太陽】【太平洋ひとりぼっち】などまた違った視点から見る事ができ、感動したものです。
丁度戦後の高度成長期の頃でもあり、その頃の世の中全体の息吹きが感じられます。私利私欲の為でなく、世の為人の為使命感に突き動かされた人達。また純粋に夢を追いかける事の素晴らしさなど。
富士山レーダーというと、その立役者新田次郎が思い出されます。およそ山を歩いている人で新田次郎を読んでいない人はいないでしょう。
【芙蓉の人】【孤高の人】【剣岳点の記】など史実に基づいたもの、実在の人物を題材にしたものはとても興味深く良い作品だと思います。でも創作は臭い三文小説ですね。孤高の人の随所に彼の創作の部分がありますが、皆さんそこは読み飛ばしているようです。考える事は皆同じですね。
プロジェクトXの番組内で、ゲストに門外漢の司会者達がインタビューする部分があります。TPOをわきまえない場違いな質問に辟易します。あのせいで番組の価値が半減しているとは思わないのでしょうか?これも国語力の欠如がなせる業でしょうか。
史実によるストーリーが無くても作品の中に人を引き込む倉本聡は凄い人です。
それとは裏腹に今の若者、子供達の国語力の低下にはそらおそろしさを感じます。米作が読めるのは僅か1%とは!
人事ではなく我が家の子供達も酷いものです。上の子なんて高校受験、大学受験伴に国語力の弱さで落としたようなものです。出題者の真意が読めず引っ掛けにコロッとのせられてしまって。
社会に出てもすぐ騙されるのだろう。温室育ちで育てたのは我々夫婦の責任ですが、騙すより騙される方が良いと諦めています。真面目にこつこつと努力を続け何らかの形で人のお役に立てれば良い。しかしもう少しコミュニケーション能力は着けて欲しいなあ。今の世の中どんな業界でもアカウンタビリティーは求められる。技術屋にしても昔のような一匹狼では歯が立たないほどプロジェクト自体が大きくなっている。人とコラボレーションするにはやはりコミュニケーション能力が必要だ。議論にしても技術的なものだけでなく企画的なものを踏まえて議論しなければならない。技術屋とは人種の違う人達とも議論し納得を得なけりゃならない。
「ああ、家の子【米作】が読めるかなあ?」
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