濡れ落葉宣言


20041220

私、もう大分前にかみさんに濡れ落葉宣言しています。

「退職したら養ってね。」
「いいよ。でも駐車場の旗振り(誘導係り)くらいしてね。」
「それくらいなら出来るよ。」

元々身体を動かす事は嫌いではないし、年寄りには健康管理上にも良い事だ。
子供達にも同様、確約をとってある。

「年とって働けなくなったら面倒みてね。」
「いいよ。」

本当にそうなった場合、どこまで面倒を見てくれるか疑問ではあるが、一応OKとの事だ。
人生、黄昏時が近付くと今まで出来なかった事を「生きている内にしなければ!」と思うようになってくる。
具体的に何か?と問われると答えるのに困ってしまうが、今まで沢山の人達から与えられるだけで何もお返しをしていない。なにかしら人様のお役に立つような事でお返しをしなければ!という強迫観念じみたものを感じている。

伊能忠敬は隠居してからあの壮大な事業を成し遂げた。私にはそれほどの財力も知恵も熱情も持ち合わせていないが、今までに蓄積してきたものをなんらかの形で世の中に返して行きたいと思っている。
世の中にはその知識が無い為に膨大な無駄を出している人達もいらっしゃるようだし。別に金儲けでやろうとは思っていない。Netを見ても色々な情報を無償で提供しているSiteが沢山ある。その一つとなり出来る範囲で知識、経験を提供したいと思っている。
報酬を受け取ると相手はお客様。本来あるべき姿を主張できなくなる。相手に迎合せざるを得なくなる。そして無理が生じ道を外す事も起こりうる。

最近の中高年の山ブームと有料ツアーを、つい思い浮かべてしまう。
お金を払ったのだから連れて行って貰って当たり前。お金を受け取っているから無理を犯し最悪遭難に至ってしまう。
昔は皆、山岳会などの先輩達から無償で育てられ、次は自分達が後輩を育てる事でお返しをする。という図式が成り立っていた。
だから無理をする事もないし無理を強いられる事もなかった。そのおかげで今の有料ツアーほどのレベルの低さやリスクも無かった。


昼間は、食べる為と健康の為に駐車場の旗振り。夜は第二の人生としての本業。
若い頃は土に憧れ晴耕雨読の人生を夢見たものだが、一度土から離れてしまった者は二度と土には戻れない事も解っていた。
形は違うがこれも夢の実現なのだろう。


2004年12月20日


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