きっかけ

何年か前にうちのかみさんが、ある小さな町工場にパートで入社しました。
そこでは部品や材料の調達がいきあたりばったり。無くなったから大急ぎで発注。材料が無いから納入が遅れる。の繰り返し。…すみません批判している訳ではありません。
余計な事はやらなくて良いと言われながらも、かみさんは見るに見かねて、製品の部品構成を製造担当の職人さんから聞き出し逐次構成表を完成させて行きました。
翌月の製品受注の内示から下位部品に展開及び集計し、どの部品がいくつ要るかを計算、前月末在庫、当月所要数、当月購買数から当月末在庫数を算出。そこに翌月所要数を加味して不足数を算出、それを補うよう発注数を決める。 この一連の処理をPC上でやるようになりました。
MRPの概念なぞ全く知らないかみさんが必要に迫られ独学でやったのです。(私も多少はお手伝いしましたが。)
やらなくて良いと言われていたのに、いつのまにかやる事を期待されていたようです。

世の中の小規模な工場では部品構成から各部品の所要数が計算できる事にあまり意味を感じていないようです。無くなれば発注すれば良い。現場の職人さんは造るのが仕事。材料、部品の発注などは自分の仕事とは見ていないのです。かといって小さな工場ではそれを専属でやる人がいる訳でもありません。
支給部品などは客先のカンバンで動いているようですが、それとて本来の動きではなく、カンバンと物が別々に動いており、数量の不一致、物の不一致など日常茶飯事だそうです。
このあたりはMRP方式,カンバン方式以前にBPRが必要なところでしょう。
このような企業が世の中にまだまだたくさんあり、もし私の拙い知識や経験が少しでもお役に立つのであれば、という事でこのページを立上げる気になったのです。
人生黄昏時が近付いてくると何か遣り残しているのではないか、このままで良いのか、と強迫観念じみたものを感じます。今まで周りの人達からお世話になることばかりで、何もお返ししてないのではないか? 今度は自分が何らかの形で人様のお役に立てないものか?
そんな事を思っていた矢先、かみさんの件からこの程度の事ならできるかもしれない、この程度の事でも人様に喜んで貰えるのなら有難い事だ。と思い到った訳です。
うちの会社は特異だからシステム化は難しいと思っている方もいらっしゃるでしょう。そんな方達にこそ是非私も参加させて頂きたいと思います。一緒に知恵を出しあってみませんか。特異だと思っていたのが案外ごく一般的な形態だったって事もありますよ。


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