はじめに

製造業にもいろんな形態があります。
標準品を造っていろところ、特注品ばかり造っているところ、材料や部品を自前で調達しているところ、客先から支給されているところ等々。
企業として生き残っていくため自社の強みに磨きをかけるには、いろいろな面を常に見直さなければなりません。
MRPという手法はけっして【オールマイティな魔法の道具】ではありません。過度な期待を抱かれても応えられない事が多いと思いますが、上手く運用すればそれなりに業務の効率化が図れます。
大企業では既に導入されていると思いますが、小規模な企業では今でも手作業で必要な材料、部品の所要量を計算されているところもあると思います。
ITばやりの昨今でも自社でシステムを構築しようとすると、お金がかかる、運用方法が解らない、いやそれ以前にモニター画面やキーボードに不慣れな管理者も少なくないと思います。そんな方々に少しでもお役に立てれば。と思いこのページを立ち上げるに到りました。

今のPCは昔のコンピュータでは考えられないほどの能力を持っています。それが10万円程で手に入ります。ソフトウエアもオーダーメイドで開発すると大変な金額になりますがエクセル、アクセス等を使えば、MS オフィスの価格だけで済みます。
どんなシステムでもそうですが、ボタン一発で結果が得られるものはその答えが妥当なものかどうか解りません。場合によっては意図したものとかけ離れたものになっている事もあります。それは操作する人の条件設定から導き出されたものでコンピュータのせいではありません。システムに介在する人の、介在の度合いが多ければ多いほど、期待したものにより近い結果が得られるものです。
昔のコンピュータは処理が遅く複数の人がそれぞれのアプリケーションを動かしたりするので、割り当てられた処理時間を有効に使うため、データ、条件設定など準備万端整えてから「せーの!」と走らせたものです。
でも今のPC(パーソナル コンピュータ)はその名の如く1人1台のものです。有り余る資源と時間を自分ひとりのために使う事ができます。
こんなに恵まれた環境なら、この条件ならこうなる、あの条件ならああなる。と何度でも確認しながら試してみる事ができます。そうシミュレーションです。
人の介在が多ければ多いほど精度が上がりより最適な結果が導き出せます。
気軽にやってみませんか。それで必要なものを必要な時に必要なだけ調達し製造できれば、人手のみで集計するより正確に無駄なく仕事が進みます。
こうやって手にしたMRPという道具は、それ自体が利益を産みだす訳ではありませんが、企業の強みを補強する為のひとつの武器となり得ます。

ひとつ大事な事を付け加えておきます。
システム構築と同時に今の業務処理方法の問題点を見直す必要があります。
現物、伝票、コンピュータの中身をいつも正しく合わせていなければなりません。合わないのには理由があります。その理由こそが問題点です。そしてこれを正すにはどうすれば良いか? これを考えるのが人の仕事です。コンピュータの仕事ではありません。
匠の道具は本人が使い易いように手が加えられています。お仕着せのシステムでは上手く使えなくてあたりまえ。自分達が使えるように手を加えるか、さもなければそのシステムに合うよう業務の方法を変えなければなりません。
BPR(ビジネス プロセス リエンジニアリング)という言葉が一昔前に流行りました。システムを構築するという事はBPRを行う事なのです。

そしてもう少し本格的にMRPに取り組もうと思われる方々には、TPiCSのFMRPをお勧めします。これはPCベースのパッケージソフトで以前のシステムと比べ低価格です。
これ以前のものは、汎用機、オフコン、UNIXベースのミニコンで動くもので、オーダーメイドに近くハードウエア環境、ソースプログラムの言語ともにまちまちで相互乗り換えは不可。システム価格も桁違いです。
PCベースではセキュリティーがどうのこうのとの批判もありますが万国共通のウインドウズの環境下で動く、システムのファイルが同じPCで自由に扱えるなど大きなメリットがあります。
TPiCSの宣伝をしちゃいましたが、私はここのまわしものではありません。また私自身がこれを使っていた訳でもありません。私自身が携わってきたシステムを、いずれPCベースのものにリプレースする事を前提に検討した程度です。
ついでに検討時点での問題点も揚げておきますと、進捗状況を捉える手立てがPoor。在庫棚卸の概念が無く、仕掛在庫を捉える手立てが無い。といったところでしょうか。今現在は改善されているかもしれませんが。


Top Page へ