我家のカルちゃん
以前、家の車はコーヒー牛乳だった。
AGFのインスタントコーヒーである(ボンゴ)ブレンディー、それに森永乳業の牛乳カルダス(クレセントワゴン)
これらを混ぜるとコーヒー牛乳。
カルダス牛乳ももうすぐ8年になるがこちらはディーゼルでははないのでまだまだ乗り続ける(つもり)。
いつも【ボロ車】と侮辱的な呼び方をしているが8年前は新車だった。そしてFFベースのFull Time 4駆。
あの頃かみさんが冬の間バイトに出かけるのにタウンエースでは運転し辛いというので、軽太郎君(アルトだったかなあ、スバルだったかなあ?)からこれに替えたのだった。
DOHC1.6Lのエンジンでは力不足で、加速は悪い、そのくせ燃費もムチャクチャ悪い、と家族の皆から罵られ現在に至っています。
でも降りでは高いポテンシャルを発揮してくれます。やはりFull Time 4駆のコーナリングの良さのおかげでしょう。この乗り味はまさにAuちゃんそのものです。雪道でもどこかの車のように、滑ってからでないと4駆にならないなんて危険極まりない似非4駆と違い、常に4輪とも動いているので非常に安定しています。おかげで燃費も非常に悪いですが。
そして、SUZUKI車全般にいえる事らしいのですが、とてもおくゆかしくて4WDでも4WDの表示は一切有りません。せめてAuちゃん程度に小さなバッジかエンブレムで見分けがつくようにしてくれれば良いものを。
おかげで納車の時本当に4駆かどうか解らず車の下を覗きこみ後輪のデフを確認する破目に!
国産車は、頼みもしないのにこれ見よがしにデカデカと車名やグレードをボデイに宣伝しまくっていますが、そんな中にあってSUZUKIさんは特異な存在です。
そして暫くお兄ちゃんの専用車になっていましたが、Friendee君のご臨終に伴い家族全員から引張りだこ。
Auちゃんがやってきてもだれもチョイノリには使わず、フォーマル用に限定され、相変わらずカルちゃんのみ引張りだこ、というか酷使され続けています。
カルちゃんの正式名はそう、SUZUKIのカルタスクレセントワゴン。1.6Lの4WDです。
悲しいことに現在は生産中止になっています。
なぜカルタスにしたか?
当時セダンかステーションワゴンの4WDは車種が限定され、価格も同車種の2駆と比べ極端に高く設定されていました。
4WDの要求度が低かったのだと思います。RVが流行りオフローダーは当然の事として、1Boxにも必ず4WDがラインナップされていましたが、乗用車タイプでは極端に少なかった。
カローラでも4WDは車両価格だけで\200万は越えていました。シビックの4WDは製造中止となっていました。ホンダで4WDというとCRV,オルティアなどオフローダー風の車高の高いものばかり。レガシーは価格が高すぎるし、唯一カルタスクレセントワゴンだけがおてごろ価格だったのです。
他にパイザーとか小さめの4WDは数種類出ていましたが、室内の広さからカルタスに落着きました。
各販売店巡りはメジャーで室内長を計り、リアシートを倒しフラットにした状態で寝心地を確かめたり。
カルちゃんはリアにかみさんのスキー板がまっすぐ入り、その横で寝る事も出来ます。丁度かみさんの為だけに特化した仕様になっています。
さんざんボロクソに言っていますが、よくよく考えてみるとこの車は非常に良く出来た名車です。
そしてAuちゃんと乗り比べるようになり、よりいっそうその良さが認識できます。
最近気付いたのですがAuちゃんと似ているのは乗り味だけでなく外観まで似ているようです。
写真を見てください。
ひとつ前のモデルとフロントがそっくりだとは思いませんか?
案外SUZUKIさん、Auちゃんをモデルにデザインしたのでは? と疑ってしまいます。
正面からの写真に4Silver Ringsをいたずら書きしてみました。如何でしょうか。
そうだ現物にもいたずらしてみちゃおうかな。【カルディ 1.6クレトロ アバント】なんちゃって。
そしてそろそろ…
2007年11月の5回目の車検も無事終了。若干の修理はあったが特に問題も無くもう2年乗るつもりでいた。という事はまる13年である。若い頃は3年で代えていたのと比べるとなんともエコロジカルになったものである。
それが車検後暫くしてセンターカップリングがロックするようになった。買って2年目くらいで同様の事が起こりその時は初期不良という事で無償交換して貰ったが、この年ではそうは行かない。直すかどうか決めかねたまま乗り続けていた。
冬が過ぎ3月の終わりに「ボンネットから白い煙が出た。」とかみさんが言う。どうやらラジエターホースのパンクのようだ。部品が来るまで水を足しながら走り続けていたが、その少し前から車速に同期して、ウォンウォンと異音が出るようになっていた。カップリングのロックの影響かどうか定かではないが「事故でも起こすのではないか?」と疑心暗鬼に陥っていた時の冷却水漏れである。かみさんのマインドもいっきに買換えモードに切替わっていった。
ラジエターホースの交換も済ませ、とりあえずは走行に問題なしとなったところで次の車の下見に行った。車種は決めてあったので「これからじっくりと交渉でも。」というつもりで行ったのだが、かなり良い見積もりを提示されそのまま商談成立。意外に早いカルちゃんとのお別れとなってしまった。
そしていよいよ…
2008年 5月 6日 別れの朝
今日が最後の日。
朝から冬タイヤの交換、洗車、室内の大掃除と大忙し。
外した冬タイヤは形見の品として出見夫君が使います。シーズン中の汚れを綺麗に洗い、乾かしてから倉庫へ。マット類を外し掃除機をかける。汚れの酷い運転席と助手席のマットは水洗い。これがまたなかなか乾かない。
室内の雑巾がけ、グローブボックス内の片付けと大汗かいてしまった。最後にGSで夏タイヤのエアー充填。これで一通り片付いた。
11年5ヶ月21日の間、本当にお疲れ様でした。長いようで過ぎてしまえば短いものです。
最後に車検証、強制保険証券、リサイクル券の確認。整備手帳も付けといてやれ。任意保険用メモは出見夫君用に回収。
整備手帳に目を通すとオドメーターの交換記録。29,751kmで交換となっている。今の表示が 113,727kmで合わせると、143,478km。壊れたまま走っていた距離を合わせると、15万kmを越えているかもしれない。期間、走行距離共に本当にお世話になりました。
感慨に耽りながらカルちゃんを眺めると、なかなかどうしてハンサムボーイである。今風の尻切れトンボのコンパクトカーよりずっと精悍でスタイルも良い。ずんぐりむっくりの今風の車は腹の出たメタボ小父さんを連想する。カルちゃんはさしずめ腹筋の割れた若者の体型である。つい手放すのが惜しくなる。とは言えもう決まった事、今更止めたなんて言えない。
時々駄々をこねることもあったが、手の掛からない素直な良い子でした。
カルちゃん、本当に長い間有難う。家族全員、君の事は忘れないからね。絶対に忘れないからね。
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