春爛漫お花見Hike


そして最後の核心部、犬星滝の巻道。
薄い踏み跡に落ち葉が降り積もり滑る滑る。
なんとか降りて来て一安心。
あ〜、恐かった。



20250419
今日はお一人様。ちょっと負荷をかけたい気分。久しぶりに二山行くか〜?
じゃあ手っ取り早く中道登って、鎌の降りは長石尾根から犬星谷へ。長石谷に降りればまたサクラ子ちゃんが待ってます。先週はまだ咲きかけだったので今日辺り凄い事になってんじゃないの?
てな目論見で中道駐車場へ。この駐車場って菰野町営割谷駐車場って言うらしいです。以降それに倣って割谷駐車場と呼ぶことにします。
でもねえ割谷って、藤内小屋の北、不動谷にあった三岳寺の東の鞍部から鳥居谷に落ちている谷の名前じゃなかったっけ?えらい離れていると思うのですが・・・。

6:15 a.m. 割谷駐車場着。
ゲゲッ、この時刻でスカイライン側は既に満車。こちら側も4台分が空いていただけ。私が停めて後の3台分は10分も経たない内に埋まってしまいました。こりゃ今後は小屋に停めさせて頂くしかありませんね。しかしなんちゅう人出、世の中暇な人が居るもんです。あっ、儂もその一人か?
今日は人を待たせている訳でも無し。慌てずゆっくりと仕度をします。全然寒くないので靴を履くのも車の外。全く好い季節になりました。ただ人が多過ぎるのがねえ・・・。


6:35 a.m. でっぱつ。
道路脇のシロモジが満開です。いやチョット遅いかな?一応Get!

中道からと思っていましたが、中道入口には大勢の人がたむろしています。そりゃこの車の数ですからさもありなん。
急遽予定変更して本谷へ。また中道へ行けんかった。また中道の様子を忘れてしまいそう。

この時期の早朝、蛭もまだ寝ているだろうし、本谷目指し蛭のテリトリーを通らせて頂きます。
谷に出ると新緑が一気に噴き出していて辺りの景色が華やいで観えます。前回来た時は冬枯れ、その前はまだ雪景色でしたから。
谷の水も幾分温かそうに見えます。


7:05 a.m. 不動滝通過。

息を整えそのまま出発。なんたって今日は先が長いですから。
巻道から谷に戻ってまた息を整えます。ヒ〜、しんどかった。


7:20 a.m. 大岩着。

ここでやっと腰を下ろして小休止。お茶を一口。で、また早々にでっぱつ。
黙々と歩を進めます。そう言えば今日は人に会いませんね。駐車場はあんなにいっぱいだったのに。本谷の常連さん達、お年と共に皆さん引退されちゃったんですかね?
小滝連続帯を巻き終え岩塔の上から一枚。

雪の無い右岸バンドも軽快に。バンドに上がる直前に目の前にバイカオウレンが。へ〜、こんな所にも咲いてるんだ。
微妙な態勢のままカメラを出しパチリ。その後は踏み潰さないように気を付けて乗り上がります。

大黒滝を巻いて、縦樋滝の上にはコブシの花が。

上から観ようと巻道へ。その巻道、足元にはショウジョウバカマ、バイカオウレンのお花畑。え〜、ここってこんなに咲いてたっけ?
巻道の恐さも忘れてしまいます。


7:45 a.m. 左岸クラックを詰め潜り岩の上に。お〜、暗い日陰を背景に白い辛夷の花が映えます。

行動食のリッツで塩分補給しながら小休止。

ここから先は明るいルンゼ歩き。乾いた岩のフリクションを楽しみながら行きます。雪もすっかり消え夏の本谷です。


8:15 a.m. 大黒岩展望台着。

春霞で下界は朧げ。これもまた春の風物詩。今日はまだロープウェイも動いていません。
時間の余裕も出来たし、コンビニオニギリを頂きながら大休止。ところで最近コンビニオニギリってお高くありませんか? 海苔、お米の値上げの所為だそうですが、毎週こうやって利用させて頂いている我々庶民の唯一の楽しみを奪わないで頂きたいです。

大休止もそこそこにでっぱつ。ここでも新たな発見。この大黒尾根、辺り一面バイカオウレンでいっぱい。今まで気付かなかったのか、それとも今年だけなのか。

山頂広場に抜けそのまま望湖台へ。遊歩道のアシビは雪が積もっていました。いや、花でした。そして足元にはタテリンがウジャウジャ。


9:05 a.m. 望湖台着。

記念碑広場への道もタテリン畑。

峠道に入ってもタテリンだらけ。我慢できず液肥を放水していると何やら白いものが目に映ります。放水を終え近付いて観ると、

アルビノとまでは行きませんがかなり白い子でした。色の白いは七難隠す? いやいや目立ち過ぎです。ついでにアルビノーニのアダージョが頭の中で鳴り始めました。チャーリラリラリーラ♪
アルビノじゃない子もウジャウジャ。

次はいつもの場所。丁度目の高さに花を付けてくれるコブシです。
あっ、咲いてました咲いてました。アカヤシオも。

アカヤシオはまだ蕾が多いですがコブシは今が最盛期。
これ正確にはタムシバなんですね。違いは花の付け根に葉っぱが一枚着いているかどうからしいですが、私が感じるには木全体の雰囲気もかなり違うように思います。コブシは木全体が青(緑)く透き通っているような感じで妖艶な雰囲気があります。まるで妖精のような。対してタムシバはごく普通の雑木。花の形はそっくりなので私はタムシバもコブシと呼んでいます。
講釈が過ぎました。悪しからず。
ガレ場が近付くともう武平峠。


9:40 a.m. 武平峠通過。
鎌に向かいます。
ガレ場手前には綺麗なアカヤシオ。

気温の上昇と共に登りが堪えます。が、ここが頑張りどころ。

10:15 a.m. 展望岩で小休止。
半袖の上着を脱ぎシャツ一枚になります。もう全身汗塗れでベチョベチョ。

地獄の苦行はまだまだ続きます。唯一の救いは辺り一面タテリンのお花畑って事。しかし尋常な数ではありませんぞ。

10:40 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。
山頂は人だらけ。狭い通路に立ち止まってお喋りしています。なかなか通して貰えません。ホント過密状態。なんとか通って祠に二礼二拝一礼。
相変わらず下界は春霞。朧気ながらも入道新道の中腹辺りがピンクに染まっています。山桜かアカヤシオですね。この時期あそこも良い雰囲気なんですよね。

山頂は混み混みなので肩までおりて休もうか。と長石尾根へ。
肩まで降りてきたらここも混み混み。考える事は皆同じですか。じゃあこのまま降ります。
どんどん飛ばして降りて行きます。登りは遅いが降りは速い。

調子に乗って飛ばしていたら右足指先を傷めてしまいました。これ薬指かな?どうやらマメが出来たか潰れたか。
三ツ口谷分岐まで降りて来て燃料補給で小休止。足先が痛いけど犬星谷降りるか止めとくか? あそこは人があまり入らないので荒れているかもしれません。
でも降りだし、様子が変わっていても地形は解っている事だし。こんな機会でもなければ絶対行く事はありませんから決行する事に。これ即ち大江健三郎の言う所の【日常生活の冒険】。
長石尾根を降り分岐のヌタ場から犬星谷へ。踏み跡は薄いですが大体わかります。途中で崩れている所がありましたがその先の木にペナントが着いているので解ります。真新しい赤のビニテが巻いてあったりするって事はまだそこそこの人が通っている証拠。世の中、物好きも居るんですね。
地形を見ながら降って行きます。所々記憶にあるものが出て来ます。人の記憶って大したものですね。
沢に降り滝を巻きます。ここまできたらもう迷う事はありません。

後は沢沿いに犬星滝へ。

そして最後の核心部、犬星滝の巻道。薄い踏み跡に落ち葉が降り積もり滑る滑る。
なんとか降りて来て一安心。あ〜、恐かった。

11:50 a.m. 犬星滝着。

後は勝手知ったる長石谷。最後のお楽しみが待っている〜。ルンルン気分で谷を降りて行きます。

2m滝を越えると目の前に見えています。それにしてもなんちゅう花付き!

近付いて〜。

ヤマルリソウも咲いています。毛むくじゃらの蕾も可愛いです。

しっかり堪能してから次の場所へ。谷沿いにはイワタバコの葉っぱも出始めました。イワウチワのフワフワもまだ頑張ってます。

おお、こちらも先週より増えています。

すっかり気を良くして降っていて、何の気なしに岩に乗り移った瞬間、ズルッ。
滑って手を着いた時に突き指してしまいました。あ〜、イテテテテ。こうした気の緩み、年寄りこそ気を付けねば。
記事を書いている今も(4/20 8:20)右手中指薬指がパンパンに腫れています。

長石谷の堰堤に出て振り返ると山肌が白いです。コブシ、山桜、アカヤシオ、それに新芽が輝いています。あ〜、春爛漫ですね〜。

最後の駐車場までの林道歩き、ホント堪えます。ヒーハー!

12:50 駐車場着。
車の中でスッポンポン。何もかも着替えて、あ〜爽やか。
なんとか二山行って来れました。そして久々の犬星谷も。
こうやって日々老化と戦っているtanuoさんです。

2025年04月20日08時40分00秒 記



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