早春お花見


降り始めると途中の斜面で写真を撮っている人達。
何かな?と観るとヒロハノアマナ。時刻は9時半を回っています。
ここは日当たりも良いし風も当たらないし。早速私もお相伴に与ります。
あら、その下にも。



20250322
先回の山行依頼多事多難。やっと落ち着きを取り戻しつつあります。家に籠っていても気が塞ぐだけ。身体を動かさないと尚更です。
気分転換に出かけてみようかと思っていた矢先、Iお父さんからお誘い。お父さん、白内障手術の予後は大丈夫なんでしょうか。
天気も好いしそろそろお花見の時期。じゃあまた孫太尾根にでも。って事で年次業務も早春お花見会。
残念ながらT尾さんはお仕事でお休み。請われて働ける内が華。写真をアップしておくのでそれで我慢してくださいな。
最近とみに体力が落ちました。おまけに三週ぶりの山歩き。ロートル二人揃って丸山か草木往復って事にしておきましょう。

5:30 a.m. 孫太尾根登山口の墓地駐車場着。
こちらは時間が読めないので若干早く出たらこんな時刻に着いちゃいました。とは言え墓地への道に入る所を間違えて一度引き返す事になりましたが。
ホント、この辺りの道は解りません。これってやはり認知機能が低下している所為なんですかねえ。
駐車場へは一番乗り。その後もお父さんが来る前に1台来ただけ。今日は人が少ないです。こんな事もあるんですねえ。
空はやっと白みかけたところ。待っている間YouTubeでミュージックでも。シートを倒しスマホを弄っているとタイスの瞑想曲。何度聴いても良い曲です。目を瞑ると瞑想の世界へ・・・。
そうこうしている内にお父さんも到着。では出かけますか。
お父さんの話ではセメント会社の工事で丸山か草木から先には行けなくなっているそうです。ああそれで今日は車が少なかったのか。
まあ我々は最初から花だけ見て藤原山頂へは行かない予定でしたから問題無いでしょう。

6:05 a.m. でっぱつ。
東の空、樹枝越しに赤い朝日が見えています。この赤さ、霞が濃いようです。まあ霞は春の風物詩ですし。
先回は冬道具一式担いでいましたが今日は完全に春モード。靴も夏靴で足が軽いです。冬道具が要らないってホント楽ちん。
荷の軽さの所為かお父さんハイペース。とても三週ぶりとは思えません。ゼーハーゼーハー必死について行きます。
樹林帯を抜けると石灰岩のガラガラ道。冷たい風に晒されちゃっぷいちゃっぷい。今日はかなり気温が上がるとの事でしたが、お山はそんなに甘くない。なんたって青川を挟んでどっかり腰を据えている山にはまだ雪が残っています。その奥の静ヶ岳、銚子岳はまだ真っ白です。
丸山が近付くと風が遮られ顔を出したお日様の光を浴びポッカポカ。丸山から上は寒いだろうなあ。

7:10 a.m. 丸山着。
朝の赤い日光に照らされて辺り一面赤っぽいです。写真も赤くなるだろうなあ。なんて思いながら花を探します。
いや探す必要なんてありません。そこら中セツブンソウが花盛り。ホント、足の踏み場も無いくらい。下手に歩くと踏み潰してしまいます。
先ずは一枚無補正と補正済。

朝の内に撮ったものは以降全て補正済みで貼り付けます。

ほんとウジャウジャ咲いてます。何年か前に見たミノコバイモ、咲いていた場所を探しても見つかりません。もう絶滅しちゃったんでしょうね。

丸山から先、草木に向かっての降りにはプラスチック製の黄色いチェーンで通行止めになっています。じゃあこの辺りで腰でも下ろして大休止。少し早いですがトカゲでも決め込みましょうかね。
眼を閉じると朝車の中で聴いていたタイスの瞑想曲(Meditation)が流れて来ます。そのまま瞑想の世界へ・・・。


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寒い尾根道を歩いています。遠くの山頂には真っ白の雪。その冷気を孕んだ風が何の遠慮も無く一方的に吹き付けています。
堪らず尾根筋を避け西側のトラバース道へ。
こちらは立木も無く降り積もった枯葉の斜面。右側は切れ落ち枯葉に埋もれたルートは地面の様子も計りかねます。足裏に神経を集中し注意深くトラバッて行きます。「この辺り、以前はミスミソウやセリバオウレンが咲いてたんだがなあ。」緑色の物は全く見当たらず完全なる褐色の世界。所々融け残った雪が斜面を覆っています。
暫く行くと尾根への登り。背後から日が射しその温みを背に感じながらの登高です。
その後、緩斜面を降って来るといきなりロープで行き先が遮られています。看板は裏向きでどうやら向こうから降りて来た人にこの先通行止めである事を通知しているようです。我々には何の手ごたえも無くまるで風のようにそれを通り抜けます。肉体から離脱した霊であるかのように。そうか、今私達は瞑想の世界を彷徨っているのです。そして緑の低木を掻い潜りながら足元のガラガラの石灰岩に足を取られながら進みます。
ガラガラの石灰岩と枯木の山頂。なだらかな山頂はここから降りに転じ多志田山へと続いています。
樹間越しに藤原の山頂が見えます。白いなあ。まだまだ遠いなあ。その手前に多志田山。あそこまででもまだかなりあります。
そして辺りには結構な雪。風を避けて西側斜面でお弁当。夢の世界でも腹は減る。井之頭五郎さんのように「そうだ、店を探そう。」なんて言ってもここにはお店はありません。自前の行動食で空腹を満たします。まさにMeditationの世界。

この後は丸山に置いて来た己が肉体を目指し戻ります。幽体離脱は軽快哉!
褐色の世界を行きます。えっ、このトラバース道って左側が凄く切れ落ちているじゃん。あ〜、恐い恐い。でも半分空を飛んでいる我々、落っこちる事はありません。
暫く行くと、発見! 時刻は9時を回っています。日が射し気温が上がってやっと咲き始めたようです。
まだ半開きのミスミソウ、指で優しく花弁を押し広げます。が、あまり開きません。「温かくなーれ。」と息を吹きかけてもダメ。
仕方ない、これくらいで我慢我慢。少し離れた所にもう一輪。こっちは開いていました。

残念ながらピンクの子は発見できず。目を凝らしているとセリバオウレンも。また少し離れて四国福寿草。これはお父さんが発見。白内障手術の成果ですね。


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眼が覚めると身体は丸山の上。眠っていたようです。でもいやに生々しい夢だったなあ。
辺りを見回すと凄い人、人、人。いつのまにか大勢の人が上がってきたようです。我々はMeditationの世界から現実の世界に無事戻って来ました。じゃあお邪魔にならないように退散しますか。
降り始めると途中の斜面で写真を撮っている人達。何かな?と観るとヒロハノアマナ。時刻は9時半を回っています。ここは日当たりも良いし風も当たらないし。早速私もお相伴に与ります。あら、その下にも。

青川側が切れ落ちた所まで来ると冷風が? いや朝より風も穏やかで冷たさも左程ではありません。こりゃ下界は暑かろうぞ。
白い銚子岳を今一度。手前のアシビには小さな花が鈴なりです。

足元にはセリバオウレン。

樒の木も花盛り。

道を外し尾根通しに行きます。はい、ここはヒロハノアマナの自生地です。風も治まりお日様燦々。降っていても汗ばんできます。
そして・・・


樹林帯に入ると日陰なのに大汗小汗。登りでは感じなかったのですがかなりの傾斜です。この傾斜をお父さんはあのペースで上がって来たの?
降りもハイペースです。時折吹き抜ける涼風が額の汗を拭って行きます。
今日はセツブンソウ以外の花はボウズかと半ば諦めていましたが、全ておめもじ叶いました。ハ〜、やはり好い一日でした。いやまだ午前中ですが。

10:30 a.m. 駐車場着。

車はあまり増えていません。皆さん南側の喫茶店の駐車場に停められているようです。途中でエラい立派な道が登山道に合流していましたから、あの道がそうなのでしょう。

さっ、早く帰って写真の整理でもしましょ。


2025年03月22日18時45分00秒 記



大きなサイズの写真はtanuo's fotolifeでご覧下さい。

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