雪景色ハイク


ほんじゃあ頂きま〜す。その前にツルハシを出して。
まあこの為だけに担いで来たようなものですから。
せーのっ! シャー!!!
チョット硬めでシュピッツェがあまり効きませんが直ぐにグサグサ地帯に突入。
振り返ってパチリ。



20241228
今年最後の歩き納め。振り返ると一山ばかり。軟弱と宣うなかれ、年相応と言う事にして賜れ。
今日の出動は軽太郎クン。いや前日までは寒そうなのでシートヒータ付きのA5のつもりでしたが、今朝は意外に暖かかったもので。多少雪があっても一応冬タイヤを履いてますからその効き具合を見る為にも。
しかし走らん車やなあ。まあ仕方ありませんね。明るくなるまでに着けば良いのでのんびりと転がしながら行きます。

6:40 a.m. 中道駐車場着。
道中全くの雪無し。湯の山温泉街で道路の横に少し残っている程度。スタッドレスの効き具合が試せんじゃん。
外は風が強そうです。寒がりのtanuoさん、なかなか仕度にかかる勇気が出ません。でも靴ぐらい履いておこうか? シートを目一杯後ろにやって運転席で靴を履きます。何が何でも外には出ないつもりです。
ぐずぐずしている内に日が上ってしまったようでピンクのモルゲンロートは見損なってしまいました。それでもまだ赤みが残っている内に、意を決して外に出ます。

7:10 a.m. でっぱつ。

今日は遅い出発です。まあひとりだとこんなもんです。元来グータラなものですから。
今日もおニューの冬靴です。ビブラムが磨り減らないようになるべく雪の上を拾いながら・・・、そんなことしてても直ぐにズル剥けになってしまうんですがねえ。
コース取りは? お一人様なので無難な中道。年寄りはいつ何時事故るかもしれません。リスクヘッジの為に人通りの多い所から。
一度融けたのかガリガリの雪の塊が道端に残っています。道端の土は所々霜柱で固く盛り上がっています。うん、気温はまだ氷点下ですね。
靴のソールも一皮剥けたようでフリクションがよく効きます。岩に足を置く度にネチッとした感覚が伝わってきます。これって本当に気持ち良いです。
休憩しなくてもよいくらいのゆっくりペースで行きます。ああ、それなのに、暑くなって上着を脱いだらダラダラと休憩しちゃうんですね。まあ急ぐ旅でもなし、のんびりゆっくり行きましょう。

尾根筋に出ると風が強いです。それでも背後からの日を浴び暖かいです。天気が好いって本当にHappy!

8:05 a.m. キレット着。
山肌の斑模様が綺麗です。

キレットへの下降はフェイス側から。細かなスタンスを探し乗ってみます。うんうん、クレッター程ではありませんが、踵を落とし安定して乗っていられます。夏靴のトレッキングシューズではこうは行きません。母指球辺りでソールがグニャッと曲がってしまいます。やっぱ山靴はこうでなくっちゃ。ソールが曲がる靴は歩き易い反面、いざと言う時に使い物になりません。まあインサイド、アウトサイドで誤魔化すしかありませんわなあ。

キレットから登り返し、凹角の上のコブシの花芽を探します。
えっ、全然付いてないじゃん。雪を被った岩塔の先端まで登り目を凝らします。
あっ、あったあった、一個だけ。

一個だけの蕾、写真で解りますか? ネコヤナギのようなヤツです。
これでは来年はとんでもない不作ですね。他の木も確認する事にしましょ。
この辺りから雪の上を歩くようになります。やっとソールが磨り減らなくなります。ウッシッシ。

8:20 a.m. 北谷テラス着。

ここのマンサクも蕾が付いていません。もう何年も前からですが、咲いてもほんのチラホラ。いずれ枯死してしまうのでしょう。
国見峠からの寒風がきついです。こんな風に晒されていてはこうなるのも納得。
寒過ぎて長居は無用、掘割に飛び込みます。ふ〜、暖かい。風が無いだけでこんなに違うんですね。
薄くステップが付いた雪斜面、ソールを叩き込むようにして進みます。結構固く締まってますねえ。
ツルハシ出すか出さずにおくか。無精者のtanuoさん、結局出さずに行きます。ほんと面倒臭がりなんだから。アイゼンも入れて来たのですから試し履きくらいすれば良いのに。とか言いながら先シーズンも一度も履かなかったような・・・。
そんな事を考えながら歩いていると目の前にエルガーフェイス。あれっ、もうこんな所まで来てましたか。雪があるといつもと様子が違いますもんね。


8:45 a.m. 岩稜帯着。

風の陰から顔を出すとモロに寒風が吹付けます。「ヒ〜、ちゃっぷいちゃっぷい!」
思わず顔を隠し後ろを向くと視界には日に輝く伊勢湾。「きっ、綺麗〜。」
左側には鎌の雄姿。正面には富士見岩尾根の岩塔。
そして強風と対峙すると眼前には鈴鹿北部の稜線。残念ながら雲が多く白山、御嶽にはおめもじ叶いませんでした。

ここから右へトラバる所には真新しい鎖が追加されていました。雪があるとよく渋滞するので付けてくれたんですね。奇特な方に感謝。
そして上のテラスへの登りにもヒモが追加されています。こりゃ楽ちん。
上のテラスから一枚。伊勢湾上空に雲が連なっています。まるで浮島。カッケー。

テラスの上にもそしてその上のガレの上も新しいロープがいっぱい。こりゃどなたでも難なく通過できます。「面白みが無くなる。」なんて言いますまい。すべて安全の為。これってロープウェイ会社の人がやってくれているんですかねえ? 管理責任を問われる事が無い様にしているんですかねえ? ほんと大変なコストです。中には私みたいに未だかつてここのロープウェイを利用した事のない人も居ます。名物となったカレーうどんも食べていません。利用するのは暖房完備のトイレだけ。後ろめたいので設置されたロープは遠慮しながら頼る事にしましょ。
でも冥途の土産に一度くらいは乗ってみたいですね。懐と相談しながら。

9:00 a.m. 富士見岩着。

本谷は今日は誰も居ないのかな? 大黒岩にも足跡は見当たりません。こりゃ行かなくて正解。半端な雪ではラッセルで死んじゃいます。
風に飛ばされないように降りて、朝陽台経由で自然学校へ。朝陽台までの道は風も無く日当たり抜群で最高の日溜り。歩きながら瞼が閉じて行きます。あかんあかん、こんなとこで眠ったらスッテンコロリンです。だって雪面が踏み固められてツンツルテン。

9:15 a.m. 自然学校前で大休止。

お日様燦々、風の陰。暑いくらいですが気温は低いので直ぐに冷え込んで来ます。ユニクロのダウンベストを着込みその上からジャケットを羽織ります。うん、ポカポカ。そしてコンビニオニギリを頂いていたら雲がやってきました。日陰になると冷え冷え。着込んでおいて良かったなあ。
ついでにトイレ。ここのトイレは暖房完備。暖かすぎて外に出られません。断腸の思いで戻りでっぱつ。

10:00 a.m. 望湖台着。

ここも立っていられないほどの強風。目ん玉が飛び出すほどの冷たさです。こりゃゴーグルが要りますな。這う這うの体で引き揚げます。
ハ〜、ちめたかった。グサグサの雪を踏み抜きながら記念碑広場へ。
記念碑広場横の雪斜面、足裏感覚を研ぎ澄ませながら降ります。と言っても何度もズボッと踏み抜きます。しかしこれが楽しいんですね。こうやっていると暑くて暑くて。ジャケットのフードを外してハ〜、スッキリ。
遊歩道から峠道へ。ここも凄い踏み抜き跡。なるべく横の巻道を伝いながら降りて行きます。表面半クラストの腐れ雪、ズボズボやりながら降りて行きます。ハ〜、しんどい!
そして右半分は冷たい強風に晒されながら行きます。展望岩まで我慢我慢。あそこを過ぎれば風の陰。

10:35 a.m. 展望岩着。

相変わらず強風が吹付けていますが、標高が下がった分いくらか穏やかです。それでも身体が振られ写真がブレそう。
鎌の雪の着き具合を見るとこちらと同程度。でももうこんな時間だし今日も一山。朝出るのが遅かったしなあ。・・・グータラtanuoさんの独り言。

ここから先は掘割の中。と思い込んでいましたが意外に雪が多く風の陰にはなっていません。踏み跡は掘割の中にありますが、あんな穴だらけの所は避けて右側の土手上を木立を掻い潜りながら行きます。うん、この方が余程楽ちん。風も山頂ほどでもないし、柔らかな日射しを浴びながらなので冷たくはありません。それでも相変わらずズボズボ踏み抜きます。まあ枝にぶら下がりながらなので深く嵌る事はありませんが。
掘割を抜けるとまた雨乞が顔を出します。ん?ちょっと曇って来たかな?
ガレ場に出ると峠はもう目の下。


10:50 a.m. 武平峠着。

迷う事無くスカイラインへ。そして右手のルンゼドンツキに目を遣ると、ジャーン、べったりと雪が付いています。
これを逃す手はありません。峠まで戻り鎌の方へ少し登り返しルンゼの真上へ。かなりの傾斜です。ほど良くクラストしています。どうぞ滑ってくださいと言っているようなもの。
ほんじゃあ頂きま〜す。その前にツルハシを出して。まあこの為だけに担いで来たようなものですから。
せーのっ! シャー!!! チョット硬めでシュピッツェがあまり効きませんが直ぐにグサグサ地帯に突入。振り返ってパチリ。

お尻の跡は解りませんがシュピッツェの細い筋が見えます。
足で漕ぎながらもう一滑り。あっ、止まっちゃった。
今日はこれだけの為に来たようなものですが、随分呆気なかったですね。
雪を払い帰り支度。半クラストのザラメなので雪塗れにならずに済みました。

スカイラインに出るといくつもの踏み跡が。結構固く凍り付いているので踏み跡は遠慮して無垢の雪の上を行きます。
西多古地の滝も水は落ちていません。一部凍っているようですがちょっとショボいです。

途中で修行場跡ニ入り三滝川沿いの道を辿ります。

最後にまたスカイラインに出て、山の家の横の水路で靴を洗います。雪の上ばかりだったので殆ど汚れていませんが。

11:50 a.m. 駐車場着。

今日も早仕舞い。そしてかもしか大橋も渋滞無し。おまけに橋の上の融雪剤も残ったまま。ああ〜、車が錆びる〜。
年末には足回りだけでも洗っておかなくっちゃ。軽太郎クンだけじゃなくてA5も。はい先週塩カルを浴びたA5、まだ足回りを洗っていません。
三つ子の魂百まで。tanuoさんの無精は一生直る事はありません。


2024年12月29日08時40分00秒 記



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