なんとかMonthly Hike


いつの間にか薄雲も取れ空は真っ青。
ポカポカの春の日射し、麗らかなひとときです。



20240224
月初めにひいた風邪、年寄りはなかなか治りません。2月は全滅かと思っていましたが何とか最終日には御在所通勤に復帰。辛うじてMonthly Hikeにはこぎ着けました。
薄暗い中を行きますが明るくなるのが早くなっている事に気付きます。そうか、後一月でお彼岸。今更ながら月日の経つ早さに驚かされます。
湯の山駅からの登り、道路には雪の欠片もありません。上の駐車場も? はい全く。 来週からはまた軽太郎通勤にしますか。シートヒーターが必要な寒さでも無くなったし。来週はもう3月ですもんね。

6:30 a.m. 中道駐車場着。

山の雪もすっかり消え、山頂付近に霧氷が少し付いている程度。暗い山肌が赤味を帯び、赤黒いモルゲンロートとなっています。
車の中で靴を履いているとIさん達も到着。仕度の遅いtanuoさん、先に着いても結局皆さんをお待たせする事に。ホント要領が悪いですな。

7:00 a.m. でっぱつ。

モルゲンロートはすっかり消え黒い巨体が青空の下に横たわっています。
雪も殆ど残っていないし、その名残を惜しみつつ本日も本谷。谷筋は風も避けられますし。

谷までの疎林帯には雪は全く見られません。落葉を踏みながら行きます。後少し経つとまた蛭に怯えながらのアプローチに変わるんですねえ。
谷に出た所で小休止。着込んでいたものを脱ぎ体温調整。
丁度日が射し始めました。谷筋には雪の欠片も残っていません。日が当たっている所為か、流れる沢水に温みを感じます。

沢筋を行きます。一ヶ月ぶりの山歩きに息が上がります。それでもビブラムのフリクションを楽しんでいる自分に気付きます。乾いた岩を歩くのも久しぶりですもんね。
小滝を巻き終わった所でIお母さんが初物発見。なんとバイカオウレンの蕾。良く見つけたものです。この目なら道に落ちているお金も絶対に見逃す事はないでしょう。


7:45 a.m. 不動滝着。

大分奥の方まで日が差し込むようになりました。
巻道を行きます。雪の無い夏道は緊張する事も無くただただしんどいだけ。
谷に戻り後ろの伊勢湾を望みます。海が光り穏やかな景色ですが、コンビナートの煙が大きく流されています。この風だと中道もさぞかし寒かろう、本谷選択は良い判断だったと一人悦に入っている我々です。


8:10 a.m. 大岩上で小休止。
ここも日向が広がりました。日射しはもう春のもの。風も無く暖かな日射しを浴びて極楽極楽。

小滝連続帯を巻きます。辺りにはチラホラ雪が出て来ました。
上から小滝を見下ろすと倒木の小枝に透明氷がコーティングされ日に輝いています。あ〜、綺麗綺麗。

その上でまたもや発見。タテヤマリンドウの蕾です。これ日が当たればもう咲きそうです。

しかしお母さん、良い目をしています。
右岸バンド手前の小滝、氷柱の横で雫が落ちています。これも綺麗。

バンドを乗越し奥に目を遣ると真っ黒の大黒滝。周りにショボい氷柱が着いていますが滝本体は完全に融けています。残念!

近付いてもその様子に変わりはありません。この暖かさではねえ。

いつの間にか辺りは白さが増しています。薄化粧の谷筋、風情がありますねえ。

縦樋滝の巻道、凄い霜柱。その上には氷柱の暖簾。

張り出した岩を乗越すのに緊張します。全く剥がれそうになく固く凍り付いたベルグラがべっちょり。
最後の恐い所を越え谷に降りると周りが日に輝いています。白い氷柱が沢山垂れ下がりその明るさに目を射られます。
その中を登攀中のお母さんをパチリ。


9:15 a.m. 潜り岩上で小休止。
いつの間にか薄雲も取れ空は真っ青。ポカポカの春の日射し、麗らかなひとときです。

ここから上は数センチの雪が岩の上に乗っかっているだけ。部分的に凍っている所もありますが概ね滑る事無く登って行けます。しかしこの雪の少なさ、今シーズンはこれ以上積もる事は無く、かなりの寡雪だったと言えるでしょう。

ウメバチ地帯のクラックも完全に氷が融け濡れているだけ。快適に乗り越して行きます。
部分的にベルグラでホールドが取れず緊張する所もありますが、これがまた楽しいです。
登るにつれて流れが氷に変わり良く滑ります。濡れた岩角を拾いながら行きます。モウセンゴケ地帯は既に氷の回廊。

いよいよ氷だらけになってきました。でもドンツキは目と鼻の先。騙し騙し登って行きます。だってアイゼン着けるの面倒臭いんだもん。こんな事言ってたら6,000円で買ったmade in R.O.C.の安物アイゼンのデビューは来シーズンになってしまいます。

なんとかドンツキに到着。後は凹角から尾根に上がるだけ。足元の氷が綺麗です。

尾根に上がり大黒岩展望台に行こうとすると大黒岩の下がベルグラでツルツル。ザラザラの花崗岩にしっかり張付いている為ツルハシのブレードでは全く剥がれません。案の定大黒岩下を通り抜けるところでスッテンコロリン。下手すると本谷に転落する所でした。ここだけの為にアイゼン履く気にもならず潔く諦めます。
やはりこのアイゼンデビューは来シーズンですね。
尾根を登り返し一ノ谷新道と合流、山上公園へ向かいます。南斜面は風も無く暖かな日射しと雪の照り返しで暑いくらいです。
しかし直ぐ上を見ると樹枝が真っ白。明らかに霧氷です。へ〜、まだ融けないんだ。
山頂広場に出る手前、ほんの少し雪斜面がありますがそこでズボズボ踏み抜きます。表面は軽くウインドクラストして固くなっているのですが下はスカスカ。典型的なモナカ雪。御在所で最中を見るのは珍しいです。
そして広場に出ると、ワーオ、綺麗綺麗、これは霧氷かはたまた雨氷か?


10:40 a.m. 自然学校前着。
軒下の雪融け水の雨を避け日向ぼっこ。日射しで顔の皮が突っ張ってきます。春の日射しですねえ。
トイレ休憩の後は久しぶりに望湖台へ。

11:20 a.m. 望湖台着。
好天の下、周りの山が全て見えます。琵琶湖の青さが特に目を引きます。霊山の奥に伊吹山、御池の奥に能郷白山、釈迦の奥に白山の巨大な山塊、少し離れて笠ヶ岳、谷を挟んで槍穂稜線、奥穂、吊尾根、前穂、手前に乗鞍、一際ピラミダルな御嶽、中央、八ヶ岳、黒い恵那山、南アルプス。朝から割と高い位置に薄雲があり富士山は見えず。

記念碑広場経由で遊歩道へ。この辺り全く雪無し。丈の低い藪がもろに出ています。記念碑広場からの斜面も雪無しの藪丸出し。
遊歩道に多少雪は残っているものの峠道もまた雪無し。ただ周りの木が全てアイスコーティングされています。霧氷が解けて凍り付いたものでしょう。
身体の支えに木の枝を掴んでもツルツル滑ります。それがずっと下まで途切れることなく続いています。こんな景色も珍しい。
そして露出した岩も全てにベルグラが。なんと天指し岩もアイスコーティングされています。

岩や木だけでなく馬酔木も葉っぱ毎、花芽毎氷漬け。これってなんと呼べば良いのですかね? 雨氷? それともベルグラ?


12:10 武平峠着。
小休止の後スカイラインへ。実はここを鎌ヶ岳側に少し登った所からの急斜面に雪が付いていたら最後の雪滑りを楽しもうとツルハシを片付けずにいたのでした。ところがやはり全くの雪無し。山頂があれでは当然の事なのですが。
結局ツルハシは背中に刺したままで降ります。
スカイラインに出ると全くの春。暖かな日射しを浴びながら時折吹く涼風を受け降って行きます。
中道ロープウェイ下のマンサクも未だ咲いていなかったと聞いていましたが、スカイライン沿いで初物発見。

ちょっと色が薄いですが陽光に輝く縮れた花弁が鮮やかです。
道端のヤシャブシには緑色の毛虫のような雄花がいっぱい着いています。
今日はバイカオウレン、タテヤマリンドウ、マンサク、そしてヤシャブシの雄花と初物を沢山ゲット出来ました。そうそう日当たりの良い所ではショウジョウバカマのロゼッタの中心に花芽のタマゴがぷっくりと膨らんでいました。
日一日と春が近付いています。来週もお花見ですな。


13:10 駐車場着。

この時刻になると山頂付近の霧氷もすっかり消えてしまいました。
ちょっと薄雲も広がっています。好天は今日だけ、明日も朝から雨だそうです。運よく今日来れて良かったです。でなきゃ2月は全滅になるところでした。
一ヶ月ぶりの疲労感を味わいながら帰途に就きます。
家に帰れば孫達が待っています。


2024年02月25日13時55分00秒 記



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