梅雨明け間近のホームゲレンデ


東から吹き付ける涼風と
雲が消え直接照り付ける陽の光を浴び、
べたべたのシャツが乾いて行きます。
天然のエアコンを浴びながら暫しお食事タイム。
百数十円のコンビニオニギリが極上のレストランのランチに早変わり。



20220723

先週は出かけたものの道中土砂降りに会い断念。御両人とも蛭の餌食となったそうなので引き返して正解でした。
今週は土日とも晴れ予想でかなり気温も上がるそうです。じゃあ安心して出かけられますね。
ピーカンの空の下、快調に走ります。が、鈴鹿の山並みにはどっかりと雲が被っています。「あれはガス。着く頃には消えているさ。」
菰野町に入り鈴鹿に向かっていると正面にドデカイ虹。いずれ消えるであろう虹が儚く思えます。
ところがなかなか消えません。それどころか細かな雨粒が流されてきてフロントガラスを濡らします。そしてお山はガスの中。いや雲の中。中は霧雨ですね。

6:15 a.m. 中道駐車場着。
殆ど気にならないくらいですが、細かな霧雨が流れています。「おいおい蛭の餌食かよ。」
仕度をしているとI夫妻の到着。Iさんから蛭除けスプレーをお借りして足元にバリア。

6:30 a.m. でっぱつ。
終始細かなミストを浴び、風も強めなので爽やかです。気温も低めでこの時期にしては珍しく爽やか。あ〜、爽やか爽やか。
山の家へのショートカット、蛭を避け短時間で通過します。
山の家の夏椿、既に花期は終わり雌蕊の名残の角が生えた子房が大きく膨らんでいます。そうですね、後一週間で8月ですもんね。
樹林帯の中、雨水で押し流された落葉が塊となって盛上がっています。まだ濡れているし、つい中に蛭が隠れているんじゃないかと疑ってしまいます。まあ濡れ落葉の中はタンニン過多で蛭はいないでしょうけど。
谷に出た所で蛭チェック。皆が立止まる所は皆さんが蛭を落として行くようで、下手にザックでも置こうものならそこから蛭が付いて来るそうで、少し離れた所でチェックです。
雨上がりで水量の多い沢を詰めて行きます。岩が濡れていて滑り易いです。

所々膝上くらいの草叢を通ります。「こんな所が危ないんだよな〜。」
ふと足の方を見ると膝辺りに黒い物が。まだ着いたばかりで潜り込もうともしていません。慌てて指で弾き飛ばします。
「ふ〜、危ない危ない。」ついでに再度蛭チェック。なんとか大丈夫そう。

7:10 a.m. 不動滝着。
水量が多く、今日は滝と言う名に相応しいほどかなりの水を落としています。

急な巻道を行きます。既にシャツはベトベトですが絶えず流れるミストと適度な風のおかげで意外に爽やかです。ホントこの時期としては珍しいくらいのコンデション。
大岩の下、右岸壁のイワタバコの葉っぱが大きくなっています。ぼちぼち花が咲きかけても良い季節と思いながら見ていると、Iお母さんが「あれ咲いてるんじゃない?」
指差す方に目を遣ると確かにそれらしい物が。
折角なので少し降って近付きます。そして見回すと、あちこちにチラホラ咲いています。「やったね、Lacky〜♪」

これで初物Get! 最悪、今シーズンは蛭の巣窟の長石谷まで行かなくて済みそうです。
そして大岩へ。濡れたスラブを見栄を張ってヒモに頼らず行ったのは良いのですが、最後の傾斜が緩んだところで手を着いたのがアザ、身体が斜めになり足がスリップ。慌てて横のスタンスに足を移してなんとかこらえました。自信過剰、年寄りの冷や水ですな。
そう言えば東方から射していた日はすっかり雲隠れ、見上げると細かな雨が垂直に降っています。気付かない内にすっかり雨になっていました。
休憩もそこそこにまた谷を詰めます。すぐ上のクサギは今が満開。秋には真っ赤な羽根から黒い球を出し、羽子板の玉が出来ます。
その上のムラサキシキブ、細かな蕾がいっぱい着いています。これが満開になるのももう直ぐ。

7:55 a.m. 大黒滝。
こちらも本物の滝になっています。

滝横を巻いて登ります。いつの間にか雨は本降りに。Iお母さんは滝上で合羽の下も着けています。ジジどもはザックカバーを着けるだけ。既にシャツもパンツも汗でベタベタ。合羽を着けても乾きが悪くなるだけです。
巻道から谷に戻る所、ここは何度来ても恐い所です。徐々に崩れが進みいずれ人工的な橋でも掛ける事になりそうです。と言う訳で本日の核心部はここかな?
谷に出るとその先には潜り岩。右側(左岸側)のクラックから。登り切った所のキンコウカ畑、花期を終え残った花穂が寂しく立っています。キンコウカって花期が意外に短いですね。

雨も小降りになり霧雨状態。周りも心なしか明るくなったような。
シロモジも大きく結実しています。

そしていよいよシモツケ街道

多少濡れた程度なら露を宿した姿も可愛いのですが、これだけぐっしょりと濡れてしまうと見栄えが悪いですね。
次から次へと現れますが悉くぐっしょり濡れた姿ばかりであの特有のフワフワ感がありません。
あっ、ヒヨドリバナ! アサギマダラも今日はどこかの木陰で雨宿りしている事でしょう。

高度が上がるにつれシモツケソウの蕾が多くなって行きます。おまけに株自体も大きくなり花数が多いです。

ドンツキが近付くとシモツケソウがどんどん増えて来ます。


8:45 a.m. ドンツキ着。
カキランがまだ咲いていました。と言ってもほぼ終わりかけ。草臥れた花の付け根は子房が膨らみかけています。どの花も無事に結実、御役目を終えまた来年を楽しみにしています。

本日の目的を果たしたところで大黒岩へ。尾根へ向かう凹角へ。雨はすっかり上がりガスも薄くなってきました。取付きにはキンコウカがまだ咲いています。ほんの少しの高度差でもこんなに違うんですね。


8:50 a.m. 大黒岩展望台着。
すっかり好天に。つい先ほどまで霧雨だったのに。

東から吹き付ける涼風と雲が消え直接照り付ける陽の光を浴び、べたべたのシャツが乾いて行きます。
天然のエアコンを浴びながら暫しお食事タイム。百数十円のコンビニオニギリが極上のレストランのランチに早変わり。

大休止の後は山頂公園へ。
自然学校前でまたまた大休止。軒下の日陰では寒いくらいなので日向を求めて移動。盛夏なのにお日様が恋しいなんてどう言う事?
休憩もほどほどにでっぱつ。絶えず滋賀県側から真っ白の雲が流されて来ます。雲足がかなり速く強風、即ち急速な天気回復が解ります。
遊歩道沿いにはあちこちにリョウブが咲いています。雨後の為甘い香りには気付きませんでしたが、鼻の効くIお母さんは香っていると仰います。予期せぬ好天と満開のリョウブ、いつ来てもここは下界と違い別天地ですね。
飛ばされて来る雲が真っ白に輝き、その所為か青空の色が濃いです。まるで冬山のような藍色に近い青空。こんな体験が出来るのも山ならでは。
「どうせガスの中だから望湖台はパスろう。」と言っていたIお父さん、今度は「望湖台へ寄ろう。」

9:50 a.m. 望湖台着。
結果は大正解。五里霧中どころか鈴鹿北部の山まで見えています。残念ながら雨乞岳、イブネ辺りの山頂部はまだ雲の中ですが。その雲が絶えず形を変えて流れて行きます。「ええ景色やん。」勇壮な雲の流れに暫し釘付け。

冬場しか通れなかった記念碑広場へのショートカット、今では藪の中に顕著な道が出来ています。今日も利用させて頂きます。草叢を抜けた後の蛭チェックは丹念に。
記念碑広場の東屋、杉皮葺の屋根が落ちています。こういった所では意外と傷みが早いんですね。家のはもう10年持ち堪えています。と言っても数年前に一度葺きなおしましたが。
そのまま峠道へ。アシビの草叢に季節外れの新芽が出ています。黄色や赤い新芽はまるで花が咲いたよう。楓類の木も赤い新芽を伸ばし、赤から黄色、そして黄緑と移って行くグラデーションが綺麗です。自然は時としてこういった面白い景色を見せてくれます。
尾根道に出ると正面の鎌が青空と白い雲に映えます。もうすっかり夏色、雨に現れた濃い緑が鮮やかです。

展望台を過ぎ木漏れ日の掘割道を降っていると先行しているIお父さんの話し声。何だろうと近付くと、なんとUさんが。
本当にお久しぶりです。春先にUkaiルートを辿らせて頂いた後メールも頂いていたのでした。今は蛭を避けて別ルートを辿っているとの事でしたが、今日は偶々禁を犯して蛭のテリトリーの探訪に来たとか。その偶々に遭遇するとはお互い縁が深いんですね。
暫し歓談の後、武平峠へ。

10:30 a.m. 武平峠通過。
Iさん達このまま鎌へ向かうのかと思っていましたが躊躇することなくスカイラインへ。私も当然ご一緒します。なんたって今日は家で孫達が待っていますから。
スカイラインへ出ると急にむせ返るような暑さ。湿気も多く直射日光に炙られます。峠辺りは風の陰。少し離れるとまた涼風が吹き始めます。あ〜、爽やか。でも下界はきっと猛暑なんだろうなあ。
西多古地の滝も水量多め。東の空は雲ひとつ無いピーカン。緑が本当に濃いです。


11:20 a.m. 駐車場着。

相変わらず山の向こうからは雲が湧き出していますが、山頂はすっかり日に当たっています。青空、山の緑、ともに色濃くまさに夏。
後は温泉で汗を流しさっぱりした姿で孫達にお目見え〜♪


2022年07月24日10時20分00秒 記



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