お久の深雪 雪遊び


後は超ロングロング滑り台。
傾斜が緩み下手な所で立ち上がるとそのままズブズブっと沈んでしまいます。
そうなると足が抜けず四苦八苦。
そうならないようになるべくそのままお尻で進みます。
気付くともう潜り岩。
しまった、また写真忘れてた。



20220122

一週空けて今日は本谷。今年はかなりの積雪との事。三ツ口左股であれだけの雪、推して知るべし。
湯の山への道にさしかかると正面に御在所。まだ明けやらぬ空に淡い薄衣を纏いほんのりと頬染めて佇んでいます。やっぱ御在所の神様、美人やなあ!

温泉街を抜けると道路両側にはまだ雪。幅も一車線分しかありません。所々すれ違い用に除雪してありますが、今年は除雪費用が嵩むでしょうね。
小屋前にはIお母さん。もう準備万端で道路に出てきたところのようです。上の駐車場まで行くとIお父さんが待っています。「早っ!」お待たせしちゃってますね。急いで仕度にかかります。

7:00 a.m. でっぱつ。
モルゲンロートに燃える御在所を仰ぎスカイラインに出ます。

山道に入ると顕著なトレース有り。先週のT尾さんの付けたトレースは薄く、これはその後誰かが付けたもののようです。
谷を避けかなりの高巻きの連続ですがたとえ薄くなっていてもトレースを辿る方が楽なのでこれを辿ります。楽と言うと聞こえが悪いですが、体力温存 リスクマネージメントです。
日が上り真横からの樹間越しのスポットライトに滝横のシャンデリアが輝いています。冬景色って本当に綺麗です。


7:45 a.m. 不動滝着。

雪で周りの景色が変わりどの辺りか解らない内に着いてしまいました。まあ高巻きの連続で普段目にする景色と違うのもありますが。
そしてここからの滝の高巻きが大変。かなりの積雪の中の急斜面の直登やトラバース、軟雪で足場が頼りなく崩れれば奈落の底に転落。久しぶりに肝を冷やしました。「あ〜、恐い恐い恐〜い!」

なんとか滝上に出ます。「ふ〜、肝を冷やしたぜ。」安全地帯まで来ると、朝日を受けた岩に大きな雪帽子。風も無く日射しが暖かく極楽極楽。
振り返ると狭い谷の向こうに伊勢湾が輝いています。辺りにはダイアモンドダストが陽に輝きながら流れています。ああ綺麗綺麗。

ここを乗り越えると正面に大岩。雪帽子からのツララを纏い勇壮ないでたちです。

踏跡はまた谷芯を巻きそのまま大岩より上へ。小滝連続帯の下、数年前に崩れてきた車大の岩に続いていました。日当たりも良いしこの岩を背に日向ぼっこで朝ご飯。
のんびり寛いでいたら下から一人登ってきます。トレースを外すとたぶん胸まで沈みそうなので足場を固め道を譲ります。そしてその後へ続きます。
小滝連続帯を巻き再び谷に出ると眩しい光。やっぱりお日様は良いなあ。

大黒滝の谷に入りバンドへの登り、雪が深くスタンスを探すまでもなくそのまま雪面登り。そのまま上へ。しまった大黒滝を撮るのを忘れた。戻る気も無くそのまま上へ。
大黒滝の上へ巻き上がると滑らかな雪面。樋状滝も巻道の登りものっぺらとした雪面になっています。トレースは完全に消えていますがその下には多少固められたトレースが有る筈。何もない所を行くよりはマシでしょう。と言う事でそのまま巻道を。

僕の前に道は無い。僕の後に道はできる。高村光太郎の道程ですな。急斜面をトラバって行きます。

谷に出て潜り岩左岸を攀じります。アイゼンを着けていないので騙し騙し。おかげで出だしで滑り落ちました。そのおかげでスタンスが現れそこに乗って登ります。上手く騙せば神様でも騙せます。
潜り岩の上で小休止。後続がゾロゾロ来ているので先行してもらいます。

すぐ追いつきまたラッセル開始。T尾さん完全にラッセルホリック、きっと脳内モルヒネで快楽を味わっているのでしょう。

振り返れば谷越しに広がる伊勢平野、伊勢湾。知多半島の向こうに三河湾、渥美半島の蔵王山までくっきりと見えています。

谷が狭まり急な深雪地帯、踏んでも踏んでもちっとも固まりません。四苦八苦しながらトップを交代しながら乗り越えます。

少し雪がしっかりしてきたかな?っと思う頃には既にモウセンゴケ地帯。ウメバチ地帯は先程の深雪地帯だったのでしょう。
見上げるとロープウェイのゴンドラが腹を見せて上って行きます。

ドンツキをそのまま詰め軟雪を乗り越え木登りしながらやっと大黒尾根へ。

そのままロープウェイ駅舎方面へ向かいます。一の谷新道側は先週T尾さんが軟雪で難儀したそうです。
霧氷林に身体を引っ掛けながら縫うように急斜面をトラバって行きます。この辺りなら滑り落ちても木が引っ掛けて止めてくれるので、安心して落ちる事が出来ます。

強い日差しに顔の皮が突っ張りかけて来る頃、目の前に山上公園のそり広場。賑やかな子供の歓声が聞こえています。あ〜、和やかですねえ。


11:05 a.m. 山上公園着。
公園遊歩道への駅舎からの階段(今は使われていませんが)で大休止。そうそう以前はここに人工氷瀑が作られていたのでした。もう何年前になりますかねえ。そんな昔話をしながらお昼ご飯。
時折強風が吹きますが強い日差しが暖かく春山気分。子供達の声が一層気分を和ませてくれます。


11:35 a.m. でっぱつ。
降りは来た道を引き返し、本谷雪滑り。自分達の作ったトレースだから崩しても咎められる事はないでしょう。
でもその前に立ちはだかるこの登り、なんとかなりませんかねえ。おまけに次から次と後続者がまだやってきます。
やがて傾斜は降りに。眼下に大きな雪帽子を被った大黒岩。綺麗ですねえ。

そして尾根から谷筋へ。もうトレースが滑り台に変わっています。T尾さん早っ!
後は超ロングロング滑り台。傾斜が緩み下手な所で立ち上がるとそのままズブズブっと沈んでしまいます。そうなると足が抜けず四苦八苦。そうならないようになるべくそのままお尻で進みます。
気付くともう潜り岩。しまった、また写真忘れてた。
潜り岩横を慎重に降り谷芯側に滑ったらでんぐり返ってしまいました。が、降りに備えジャケットとオーバーズボンを着けていたおかげで雪塗れは避けられました。それでも久しぶりにスキーでもないのに雪で顔を洗ってしまいました。それがまた嬉し楽しの古稀過ぎた爺イ、まったくいい年をして困ったもんです。
その下は巻道ばかりだったからこれで終わりかと思っていたら、T尾さん樋状滝を滑って行ってます。それじゃあ後に続きましょう。

そしてこの下の大黒滝、登りで写真を撮り忘れていたので是非とも滑り台を外れて見に行きましょう。
う〜ん、やはり綺麗です。

滑り台は大岩に続いています。ドスンと落ち込みに気を付けて急な滑り台を行きます。ハ〜愉快愉快。
急カーブの落ち込みで止まった所、右側にはツララ並木。誰も折っていないので悉く叩き落して行きます。ヒ〜愉快愉快。

その後の不動滝の巻道は後続者達のおかげでもうしっかりとした幅広の道に変わっています。こりゃ楽ちん。
その降りも谷側に落ちないように滑り台で。
滝下からは来た道を。さすがにもう滑りはありません。ダラダラ歩いている内にもう堰堤が見えてきました。山の家を過ぎスカイラインへ。
道路脇の排水路で靴を洗ってから駐車場へ。いやスカイラインは一度融けた水が薄氷となってアスファルトを覆っています。チュルチュルとよく滑る事。ここが本日の最核心部だったかな?

13:00 駐車場着。
午後のこの時間でも空は真っ青、さすがに山頂付近の霧氷は融け落ちてしまいましたが谷筋は真っ白。あそこを滑って来たんですね。

後片付けを済ませ温泉に向かいます。今日も良い一日でした。いやここ暫く例を見ない積雪で最高の一日でした。


2022年01月23日11時35分00秒 記



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