御嶽山紅葉狩り


雲一つない真っ青の空、向かう先にはどっしりと大きな山塊が聳えています。
鈴鹿の山とは似て非なるもの。そして樹林帯の中の祠辺りまで来ると懐かしい香り。
この芳しい香り、これこそ山の匂い。
樹木の樹脂の匂いなのかどうか解りませんが、何故か昔の記憶を呼び覚まされます。



20211002

9月末の予定が悪天の為中止。一週後の本日土曜は日本晴れとの事。てな訳で本日はリベンジマッチ。若干コース取りが変わりましたが鈴鹿とは全く違う本当の山を堪能して来ました。先ず匂いが違います。風が違います。光が違います。高山ならではのこの違いをご賞味あれ!
予定などの連絡は全てグループLINEで。通話料もかからずお互いの時間の制約も無くホント便利です。


6:30 a.m. 田ノ原着。こんなに良い天気なのに意外に人が少ないです。王滝頂上から先は規制されており剣ヶ峰まで行けないそうです。それで少ないのかも。
駐車場の奥まで行くと皆さんもう準備万端揃っています。tanuoさんも急ぎ仕度をします。


6:50 a.m. でっぱつ。
以前と様子が変わっています。奥の駐車場が工事中、参道入口大鳥居の前には仮設の事務所が設けられ、そこで登山届を要求されます。T尾さんが既にnetで届済みなのでパス。ザックに付けた花は山頂で献花後持ち帰って下の回収所に戻してくださいとの事。
王滝頂上にも係員を配置していましたが、人の安全管理に携わる行政は大変ですね。有難い事です。

歩き始めて気付きましたが、どうもザックが落ち着かない。ザックにぶら下げたメットがふら付くんですね。山頂付近はメット必携との事で車庫を家探しし、昔かみさんが使っていた【滝谷】を持ってきました。(私のボスミルは中のネットがボロボロで捨てられてしまったようです。)
現役の頃は、一般道でメットを見られるのが気恥ずかしくいつもザックの中にしまっていました。しかしこのザック、中が狭くて入れ辛いし、皆さんもう被ってらっしゃるしで外にぶら下げましたが、慣れない事をやるとどうも不自然です。
今はハイカーでも北アではメット着用を義務付けられているそうです。もう岩登り限定じゃあ無いんですね。
ひんやりした空気を味わいながら歩を進めます。朝日に輝くナナカマドの紅葉が綺麗です。

雲一つない真っ青の空、向かう先にはどっしりと大きな山塊が聳えています。鈴鹿の山とは似て非なるもの。そして樹林帯の中の祠辺りまで来ると懐かしい香り。この芳しい香り、これこそ山の匂い。樹木の樹脂の匂いなのかどうか解りませんが、何故か昔の記憶を呼び覚まされます。

赤禿げで一息入れます。ついでに小用を足します。動き始めるとすぐおしっこ。体脂肪が燃やされCO2とH2Oに変わるから。私の身体は駱駝さん。

この辺りダケカンバの黄葉が綺麗です。とは言いながら昔見たあの強烈な美しさと比べると少々寂しいです。暗濃緑の這松の間に穿れた幾筋もの谷筋、それに沿ってダケカンバの山吹色とナナカマドの赤の線が山頂に向かって伸びている・・・。乗鞍でも同じような光景が見られます。これは火山特有の紅葉の姿なのかもしれません。あの鮮やかさが足りないんですね。山も年食って美貌が落ちてるんですかね〜?

7:50 a.m. 8合目の檻に入ったお地蔵さん着。
いや、摩利支天と不動明王ですね。
振り返ると田ノ原がもうあんなに下に見えます。その向こうに中央アルプス。将棋頭から恵那山まで稜線が際立って見えます。その奥にはチラホラと南アの頂。甲斐駒はほぼ全体が見えるのですが他はよく解りません。

この先は岩と這松の間を進みます。富士見岩を右に見て。
それにしても良い天気、雲ひとつありません。いや、あった。南アの向こう辺りに。おかげで富士山は発見出来ず。


9:30 a.m. 9合目おおのぞき。

王滝頂上はもうすぐ。なのにちっとも着きません。無精ばかりしていては体力は落ちる一方です。

王滝の小屋の手前で若い兄ちゃんに声をかけられます。どうやら我々登山者を見守ってくれているようです。
小屋は以前の3階建て?とは違い平屋です。噴火被害から建替えたようです。こんなところに景色の違いが出て来るんですね。
防風壁の中へ入り参拝。剣ヶ峰への出入り口はロープで閉鎖されています。そこから剣ヶ峰を仰ぎます。
小屋横の平坦地で朝ご飯? いやブランチですね。
途中ですれ違った地元のお姉さんとお話。そこで地元の蕎麦屋さんを紹介してもらい帰りに寄る事に。
本命の献花はT尾さんはもう済ませたそうでお花も回収してあります。噴火当時もこんな穏やかな日だったんでしょうね。改めてご冥福をお祈りします。
思えば20才頃からお世話になっている御嶽山。もう半世紀のお付き合いです。スキーも含めると200回は超えています。そんな常連である私が事故にも合わず、初めて訪れた人が亡くなっているのですから、全く人の運なんて解りません。
独身時代からかみさんともどもお世話になっているのですが、ちょうど噴火があった年はかみさんが入院中で御無沙汰していたのでした。もしかして我々が行かなかったからご機嫌を損ねた? 

さて、次なる目標、本日のメインイベント、蕎麦をいただきに山頂を後にします。
降りとなると皆さん速い速い。飛ぶように降りていや落ちて行きます。
昼近くなり雲が湧き上がって来ました。

30分足らずでもう8合目。
陽が高くなった所為かダケカンバの黄葉が綺麗です。

赤禿げ辺りでも登りでは気付かなかったナナカマドの赤が鮮やかです。

祠のある樹林帯を抜けると道は平坦になります。光に満ち溢れた紅葉の屏風絵の中をそぞろ歩き。

遥拝場辺りまで来ると観光客が増えて来ます。ここらはもう下界。下界でもこれだけ鮮やかな紅葉が見れるのは標高のおかげ。


11:50 a.m. 大鳥居に帰着。
鳥居の額縁の中に御嶽山の巨体が収まっています。

車に戻ってさあお片付け。

お片付けしていると蕎麦屋を紹介してくれたお姉さん方もご到着。挨拶すませてでっぱつ。駐車場をグルッと回って三笠山西斜面で停車。
降りで綺麗に見えていたこの斜面の紅葉を確認の為です。やはり想像していた通りツツジの仲間です。満天星にはしては葉っぱが少し大きいですがその仲間には違いありません。ツツジ科の草花って春は開花、秋は紅葉と1年で2度美味しいですね。


2021年10月03日10時20分00秒 記



大きなサイズの写真はtanuo's fotolifeでご覧下さい。

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