秋風Hike


撮っているとすぐ下で大きな声。
えっ、咲いてるって?
急いで行くと、おおおっ、咲いてるじゃん。
ほんと久しぶりに見る鈴鹿の山路の不如帰。



20210828

週初めにお誘いメール。二つ返事でOKの返信。丁度この日はかみさんのワクチン予約日。
「副反応で死ぬかもしれないYちゃんをおいて行くのね。」行けと言ったくせに嫌味だけは言わずにおれないようです。
刳狽フ蔓延で感染が急拡大していますが、高齢者のtanuoさんはワクチン接種済み。同行メンバーも接種済みなのでそれ以外の人達との密を避ければ no problemです。
そう言えばα株がイギリス型って聞いた事ありますが、β株、Γ株ってあまり聞きませんね。消えちゃったんでしょうか?

かくして緊急事態宣言初日にまたもや県外へ。
久しぶりに温泉街バスセンターのトイレに寄ります。朝日を受け町並みが赤く染まっています。日の出が遅くなっているのを実感します。


6:15 a.m. 小屋前通過。人気がありません。中で準備中かな? なんて考えながら駐車場まで行くと、なんと皆さん準備万端整えお待ちです。
車を停め急ぎ仕度にかかります。

6:30 a.m. でっぱつ。
今日の予定はウメバチソウの偵察だそうです。ついでにダイモンジソウも。でもダイちゃんはまだまだでしょうね。ウメバチソウは早くから蕾を付けるので週毎にその成長を確認できます。
その時冗談のように言っていた言葉、「今年はまだホトトギスを観ていない。長石谷には咲いていそう・・・。」

今日も下界では35℃を超える猛暑日だそうですが、こちらではもう秋の佇まい。吹く風も一時期に比べ随分涼しくなりました。
往路菰野の町からも見えていましたが、ロープウェイ鉄塔の塗装工事をやっているようです。真ん中部分が塗り残されているようで錆止めの赤茶けた色が残されています。これはこれで愛嬌があって観て楽しいものがあります。

今日は樹林帯の中もしっかり乾燥しており蛭の心配は無さそうです。それでも沢に出たところで蛭チェック。
なんたってこの私、皆さんより蛭被害が最も多いですから。雨男、晴れ男ならぬ蛭男の称号を与えられそうです。なんてことはない、皆さん対策をしっかりされているのに私だけ何も対策していないのが原因なのでしょう。ホント無精者なんだから。

乾いた岩を辿ります。こんなハイキングシューズでもフリクションがよく効き、ソールからボンドが染み出しているような感覚です。「岩歩きって楽しいなあ。」

大岩の登りも乾いたスラブをフリクションだけで登ります。「う〜んこうでなくっちゃ。」
乾いた大岩の上で小休止。冷たい岩が気持ち良いです。時折陽が射すと急に暑くなりますが、すぐまた陰ります。夏場の登りは今日の天気のように曇っている方が快適です。

この先いたるところにヒモが垂らされています。本谷もメジャーになったものです。

崩れた所も手が加えられており、これはもう紛れもない一般ルート。
潜り岩の上で小休止。涼やかな風が流れています。これももう秋の風です。

8:25 a.m. ウメバチ地帯着。
かなり大きく膨らんだ蕾が二つ三つ、大小取り混ぜ20近く。「株が少なくなったね。」なんて話しながら登ってきたところにとんでもなく嬉しい誤算でした。実際株は増えているって事です。
最も大きな蕾はもうすぐ綻びそう。来週辺り開花している事でしょう。

後はひたすら登るだけ。気温の低さのおかげでバテる事もなく登って行きます。ひと月ぶりの御在所通い、運動不足の所為でペースはドンガメですが。

めぼしい花の無いこの季節なんて言われながらも、アキノキリンソウや花粉袋を垂らしたススキ、予期せぬ所に咲いているコモノギク、艶やかな苔、夏の名残のシモツケソウ、それにママコナやイワショウブなどが出迎えてくれます。

8:50 a.m. 大黒岩展望台着。
雲の日陰の下、秋風に吹かれながら大休止。濡れたシャツが冷たいくらいに涼やかです。下界に目を遣れば夏の陽に輝く菰野の町並み。さぞかし暑い事でしょう。暫し優越感に浸ります。
寛いだ後は山頂へ。自然学校前でトイレ休憩。そして遊歩道を峠道へ。
峠道を降って行くと青空が覗き始めます。山頂付近を覆っていた雲の下へ出たようです。おまけに陽が射し始めます。「暑いの嫌よ〜。」


10:00 a.m. 武平峠通過。
えっ、T尾さんそのまま鎌方面へ登り返します。つられて全員登り始めます。峠には大勢の人が休んでいた為密を避ける為だとか。
少し登った所、以前ミヤマウズラを見つけた所で立ち止まります。「無いねえ。」なんて言いながら目を凝らして探していると、発見! 3株見つけました。少々薹が立ったのもありますが綺麗なのを選んでパチリ。

「この上の広い所で休憩。」と言い残しまた行ってしまいます。この上の広い所ってまだかなり登らなくてはなりません。この時点で鎌へ行くつもりであることを察知します。まあ良いか、最近運動不足だし。
それからが地獄の連続。登りはきついし日が照って暑いし身体は動かんし・・・。
日陰尾根分岐では日陰尾根に綺麗なお姉ちゃんがこちらに向かっておいでおいでしています。「すは、幻覚か?」なんちゃって。
誘惑を断ち切って尚も登ります。三ツ口源頭のピーク北面には明らかに新たな崩壊の跡。またピークからの旧登山道跡には大量のデブリ。新たな発見に暫し疲労を忘れます。
そして山頂への巻道へ向かおうとするのを鎖で閉鎖された側へ誘惑されます。「自己責任でどうぞ。」
閉鎖されてから長い事通っていませんが、なんだかとても新鮮です。アルペン的な山容がとても魅力的です。手ではがれるほど風化の進んだ花崗岩を騙し騙し登ります。固い岩のフリクションを楽しみながら一歩一歩。気が付くと嬉々として楽しんでいる自分がいました。20代30代の頃と精神年齢が同じの成長しないtanuoさん、おバカは死ぬまで治りません。


11:15 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。

先ずは祠に二礼二拝一礼。ほんとご無沙汰です。
南側は暑いので北側の日陰に移動し大休止。久しぶりの空腹にコンビニ調達のパンが旨い。

降りは長石谷。咲いてるかな? まだかな? ホトトギスの花を求め山路を行きます。
岳峠から降り始めるとかなり上から様子が変わっている事に気付きます。そして伏流水が現れ始めてからも谷の荒れに驚かされます。あの大岩どこへ消えたの? あの急な狭い谷がこんなに広く平らになっちゃって〜。道が崩れて河原歩きになっちゃったり〜。
こんなに荒れていたんじゃ株ごと流されちゃったのも多いでしょう。
所々蕾を付けた小さな株は見られるようですが開花には至っていません。

12:30 犬星滝着。
水量が多いです。

滝下で休憩しているとIお母さん達が到着。どうやらすぐ近くで蕾を見つけたそうです。
案内されて戻ります。かなり大きな蕾なので、せめて蕾だけでも撮っておくか。

撮っているとすぐ下で大きな声。えっ、咲いてるって?
急いで行くと、おおおっ、咲いてるじゃん。ほんと久しぶりに見る鈴鹿の山路の不如帰。

これが本日のメインイベント。T尾さん、よくぞ騙して連れてきて下さった。武平から降ってたんじゃ絶対お目にかかれませんでした。
その後は陽光に輝く長石谷を楽しみながら降って行きます。


13:40 三滝川渡渉点着。
靴を洗って日陰に腰を下ろします。靴を洗っていたIお父さんがいきなり大声。居た、居ない? アマゴの話ではなく靴に蛭が付いていたそうです。
つられて私も見直してみると、ギャン、付いてるじゃありませんか。靴紐バックルに身体を通した状態で布地部分からの侵入に手古摺っています。「そんなもん入れる訳ないやろ。」
落ちていた小枝でバックルから押出し地べたに落とします。そして小石で「圧死の刑じゃ〜。」
ひと騒ぎの後小屋へ。もう目と鼻の先です。小屋で皆さんとお別れの後駐車場までもう一踏ん張り。キッツ〜。

13:50 a.m. 車に帰着。
靴を履き替え再度蛭チェック。大丈夫のようです。さすが長石谷、蛭の巣窟。
昔は御在所、鎌などの花崗岩地帯には蛭は居なかったのにねえ。もう蛭は御在所、鎌の夏の風物詩ですね。
温泉でスッポンポンになって全身の蛭チェック。OK,OK。

帰宅後かみさんはピンピンしています。聞くところによるとワクチン接種しなかったそう。問診でケツが痒いと言ったら、今回は見合わせましょうとの事だったそうです。ケツが痒いってそれが重篤な持病でもあるまいし。んなもん早う打って早う安全になってしまえば良いのに。
おかげでお土産のケーキを買ってなかったのは咎められずに済みましたが。


2021年08月29日11時50分00秒 記



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