夏空Hike


車の中、運転席で靴を履き替えていると靴紐のところで何やら蠢くものが。
ギャッ、またとんでもないお客さんが。素手で摘まんで車外にポイ。
反対側の靴も注意しながら履き替えましたが、こちらはOK。
と思いきや左耳後ろに何か違和感。触ると嫌〜な感触。
慌てて剥がそうとするも敵も然るもの皮膚にしがみ付いてなかなか取れません。
それでも思い切り強く摘まんで引っ剥がします。
ギャン、デカイ! こいつも車外にポイ。




20210731

このところ大気が不安定。午後になると局所的な集中豪雨や雷が発生しています。「君子危うきに近寄らず」とも言いますが、このままではメタボ脂肪が蓄積するばかり。しかし雷は午後から発生しており午前中は安定しています。じゃあ午前中に済ませてしまえば良いじゃん。てな訳で本日2週間ぶりに御在所通勤。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。」ですね。

前回沢筋で大量の来客に見舞われたので今回は水気のない所を。と言う訳で久しぶりに中道。この時期めぼしいものはありませんが大汗かくのが本日の目的。

6時ちょい過ぎに小屋前通過。T尾さんの車が停まっています。そしてもう外に出ています。行き過ぎた車をバックしご挨拶。駐車場で仕度をしている旨伝えます。
駐車場はスカイライン側もガラガラ。もう夏休みだから皆さん遠出でしょうか。

6:25 a.m. でっぱつ。
到着時はガスがかかっていませんでしたが、出発時には湧き上がったガスで御在所がかくれんぼ。夏ですねえ。
小屋まで行こうと車道へ出ると法面の苔の緑が鮮やかです。大抵車でしか通らないから気が付かないですね。

T尾さんはイワタバコの花の偵察に長石谷と思っていたようですが、あんな蛭の巣窟は降りにとって短時間で抜けた方が良いです。で、とりあえず中道。
気温はまだ低いですが湿度が高くすぐに大汗が噴出します。汗の塩分が蛭のバリヤ、早くかけ、もっとかけ! まあ中道には居ないと思いますが。
若い人達と前後しながら行きます。若人4人組、話をしても溌溂としていてとても爽やかです。齢71の爺としては戻りたくても戻れない、羨ましい存在です。
周りはずっとガスの中。な〜んも見えませんが日射しも隠してくれています。夏の低山、登りにはこんな天気が良いですね。立ち止まればそこそこ風もふいていますし願ったり叶ったり。

7:40 a.m. キレット通過。
北谷、本谷、両隣の谷沿いにガスが湧き上がって行きます。その為遠望は利きませんが正面の山腹あちこちに白い木が見えます。リョウブの花です。
辺りに甘い香りが漂っています。大汗に塗れていますが風が吹くとひんやりと火照った身体から潜熱を奪ってくれます。そこに清涼剤のような甘い香り、こんな季節でもそれなりに山は楽しみを提供してくれます。

視界のない中黙々と登って行きます。大きなアブが我々に纏わり付きながら一緒に中道を登って行きます。鬱陶しくて帽子で叩き潰そうと思いっきりはたいたら帽子のサイズ調整用の金具が外れ飛んで行きます。なんとか回収し取付け直します。「えらい被害!」
そうこうしている内にいよいよ掘割道ドンツキ。
今日も正面の壁が勇壮に聳えています。

岩稜帯から回り込み上のテラスへ。そこから水の流れるルンぜ状の所を通りいよいよ直下のガレ。
あらま、目の前にプチお花畑。シモツケ、ノギラン、キンレイカの揃い踏み。

そのままガレを登り登山道へ。

8:35 a.m. 富士見岩着。
展望台すぐ下にコモノギク。

朝陽台まであと一息。老体に鞭打って登ります。

8:40 a.m. 朝陽台着。
時折薄日が射します。それを逃れるべくレーダードーム前の日陰へ。ここで大休止。コンビニオニギリを頂きます。


9:10 a.m. でっぱつ。
遊歩道を自然学校へ向かいます。途中夏椿がいっぱい咲いています。
スキー場の向こう三角点方面にはガスが上がって行きます。夏山やなあ。

自然学校前にはアカトンボのマーキング用のタモアミがいっぱい置いてあります。その横には生葉による藍染の体験会。こんなイベントも夏休みの風物詩?
遊歩道を行きます。今日はいつになくヒグラシの大合唱会。御在所をテリトリーとしていたエゾハルゼミがあまり鳴きません。ヒグラシに混じってウグイスも。遊歩道傍の木の上でウグイスが囀っています。人から丸見えじゃん。この子、危機管理がなってませんねえ。

滋賀県側は晴れているかも知れないとT尾さんが言います。じゃあ久しぶりに望湖台まで。
途中でオトギリソウでも撮っときましょうかね。


9:40 a.m. 望湖台着。
フムフム、さすがに雲は多いものの滋賀県側にはガスの湧き上がりは見られません。雨乞岳からイブネの稜線がはっきり見られます。

峠道を降ります。あわよくば久しぶりにふた山、降りは長石谷でイワタバコの偵察? なんて事も考えていましたが、やはり午後天気は心配です。冷静な判断で武平峠から下山します。
スカイラインを降り三ツ口谷第一堰堤奥のルンゼで偵察することとなり、暫く降っているとポツポツ。「あれっ、降り出したね。」なんて言い、すぐ止むだろうと思っていたら本降りに。
そして傘も役に立たないくらいの土砂降りに。それでも意地になり三ツ口谷入口のイワタバコの偵察。
ルンゼ手前の左岸斜面にチラホラと咲いています。ルンゼの方は?と行ってみると全く咲いていません。それに葉っぱも少なく大水で流されてしまったのかもしれません。
先程の斜面に戻り少し攀じ登ってパチリ。下へ降りて確認するとピンボケ。土砂降りの雨の中、傘さして折角撮ったのに! 残念ながら再度登り直す勇気は起こりませんでした。見苦しいですがピンボケの一枚をご覧あれ。


11:35 a.m. 車に帰着。
小屋で着替えてからと勧められましたが、最低地上高の低いこの車、小屋の敷地に入れません。役に立たない傘をさしてここまで戻って来るのも大変なので、ビニルシートを座席にかけて温泉まで直行する事にします。
車の中、運転席で靴を履き替えていると靴紐のところで何やら蠢くものが。ギャッ、またとんでもないお客さんが。素手で摘まんで車外にポイ。
反対側の靴も注意しながら履き替えましたが、こちらはOK。と思いきや左耳後ろに何か違和感。触ると嫌〜な感触。慌てて剥がそうとするも敵も然るもの皮膚にしがみ付いてなかなか取れません。それでも思い切り強く摘まんで引っ剥がします。ギャン、デカイ! こいつも車外にポイ。
出血しているか触ってみますが、幸い吸血はされていなかったようです。足の方もズボンを捲り上げ、靴下を下げてみましたがどこも出血は無し。
どうやら大汗かいたのが功を奏したようで、塩分を嫌い吸い付けなかったようです。
帰りに寄った温泉でも確認しましたがどこも出血無し。中道、峠道は降ってなかったし、もともとあまり蛭が居る場所でもありません。考えられるのは三ツ口のイワタバコを撮った時。
もう夏場は長石も三ツ口も行きたくないですね。でも行かなかったらイワタバコの花が見れないし・・・。

帰りの温泉に浸かっていると雷の音。やはり午後は不安定です。帰宅後、こちら愛知県でも急な雷雨。武平峠から降りたのは賢明な判断でした。


2021年07月31日21時40分00秒 記



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