40年ぶりの伊吹山

降るにつれ青空も広がり始めます。
ガスが薄れついには真正面に霊山の広大な山塊。
この景色、山頂から見たかったなあ。



20210220

2月ももう半ばが過ぎてしまいました。20日土曜日に行く旨連絡すると、皆さんその日は伊吹山だとか。二つ返事で集合場所、時刻を聞きます。
何年行ってないのかなあ?30年前くらいに一家で琵琶湖でキャンプした帰りに寄ったのが最後です。でも登ったのはもっと前、30歳になる前ですから40年以上前になります。
今はスキー場も閉鎖され、それ目当ての駐車場も無くなっているでしょうから駐車地探しに手間取るかもしれません。いや、様子も変わっているでしょうからお初の所と考えるべきでしょう。NAVITIMEで所要時間を調べると高速使えば意外と早いです。でも早めに着くように余裕をもって。
ついでに近場の温泉とコンビニを調べますが凄く少ないです。うわあ、田舎!

30分以上早めに出るつもりが、エンジンかけようとするとモニタにキーのバッテリー交換指示。大丈夫だとは思いますが万一帰りにエンジンがかからないといけないと思い、再度家に入りバッテリー交換。いや入れ方が解らずまた車に戻りマニュアルを見て・・・。すったもんだしていたら結局20分近くかかってしまいました。ハ〜!
でも高速道はガラガラで軽快に飛ばして行きます。関ケ原ICからは下道。ここはよく通った筈ですが記憶がありません。第一リフト下のお宮さん辺りが微かに記憶があります。やはりここは初めての所。
既に皆さん到着済みでT尾さんがわざわざ駐車スペースを空けてくれました。いつも有難うございます。

7:00 a.m. でっぱつ。
リフト左横の道に入ります。ガラガラの道で雪の上に大勢の足跡があります。駐車場の車も多かったのでかなりの入山者がいるようです。泥水が流れ道が川になっています。

ここって全く記憶にありません。微かな記憶ではリフト右側からコンクリート舗装のスロープを上がっていったような気がします。そしてすぐ二合目に着いたと思いますが、このドブ川道、凄く迂回していてちっとも着きません。やはりここは40年前の伊吹とは別の山のようです。

やっとの思いで二合目のリフト終点。この辺りは見覚えがあります。数人が足ごしらえしています。伊吹ってアイゼン要るのかな?伊吹でアイゼン着けた事無いんだけど。いや、40年前とは別の山なのでしょう。
顕著なトレースが続きます。上部はガスに覆われていますが、これさえ外さなければ潜る事もルートを外す事も無いでしょう。

スキー場が営業していた頃はヘボが突っ込んで来る事を警戒しながらの登りでしたからこの辺りが最大の核心部でした。ヘボが近付いてきたら「寄らば突き刺すぞ!」とばかりにツルハシで威嚇しながら。

しかし人が多いですね。昔はスキー客ばかりで三合目ホテル辺りの緩斜地を過ぎると滅多に人を見かけなかったものですが。

周りは薄暗くガスで視界が効きません。休憩の為に建造物の傍に立ち寄ろうとすると「密ですよ!」と怒られる始末。こんなとこでねえ。昔の山屋はもっとおおらかでしたがこれも世の流れ?
振り返れば真正面に霊山が。なんて景色は今日は望むべくもありません。
何だかんだおしゃべりしながら行くと傾斜も徐々に急になり立派な避難小屋。これも40年前には在りませんでした。Iお母さんはここでアイゼンを着けます。この下にも立派な避難小屋や建造物がありましたが、これらも当然40年前には在りませんでした。やはり別の山?
記憶にあるのは山頂プラトーから急に落ち込んですぐの南斜面に在った半ば倒壊寸前の避難小屋。これは今回は痕跡も在りませんでした。

急斜面をジグを切るように登って行きます。鈍って脚力の落ちた足が上がりません。ヨレヨレの老体に鞭打ちながら上がって行きます。ふと風が強くなってきた事に気付きます。山頂部に近付いた証拠です。それを頼りにもう一歩もう一歩。
やっと傾斜が無くなり山頂プラトーに到達。視界は数メータ。踏み固められたトレースを頼りに進むと大きな建造物の奥に立派なお社。あれ?こんなにでかかったっけ?

この写真、目一杯コントラストを上げたものです。それくらいのガスでした。

建物の陰で燃料補給。ちょっと着込んで早々に下山開始。
トレースを崩さないよう深雪の斜面を擦り落ちて行きます。これが伊吹の真骨頂。これは40年前と変わっていませんでした。伊吹ってこれしか楽しみないもんね。
トレースから離れ過ぎないよう登りの人影に目標を定めてショートカット。変なとこ行っちゃったら戻りが大変ですから。晴れてればそんな事お構いなしなんだけど。
調子に乗って擦り落ちていたら深みに嵌りおまけに足が攣ってしまいました。暫くそのまま休憩、回復を待っていると視界が広がって行きます。ガスが薄まって行きます。

攣った足を庇いながら皆と合流。ガスはどんどん薄まって行きます。そうそうこの景色ですよ。これも40年前と同じです。

降るにつれ青空も広がり始めます。ガスが薄れついには真正面に霊山の広大な山塊。この景色、山頂から見たかったなあ。ここからだとほぼ同じ高さ。山頂からだと見下ろすように見えます。

山頂側のガスは?と振り返ると未だあまり薄れていません。しかしゴマ粒のような人影が延々と山頂に向かっています。一瞬白馬の大雪渓を連想してしまいました。「へ〜、伊吹って今はメジャーな山なんだ。」昔はマイナーな山の代表格だったのにね〜。

あっ、この写真、リサイズしたら人影が消えちゃいましたね。

五合目避難小屋が近付いて来ると薄絹のようにかかっていたガスも消えて行きます。青空も色が濃くなってきました。

好天に誘われ大休止。暖かな日射しに気分はもう春山。

降るにつれて暑い暑い。日射しと雪の反射で両面グリル。こんがり美味しく焼けちゃいます。今日の風呂は顔が痛いぞ〜。


13:10 二合目第一リフト終点。
山頂のガスもやっと晴れました。小休止で寛ぎます。

さてこの後が本日の核心部。濁流の沢下り。今朝も難儀した第一リフトの巻道です。
泥んこになりながら降ります。「あ〜、鬱陶しい!」

13:40 なんとか降り終え駐車地着。用水の流れで靴、スパッツを洗います。なんとか転倒もせず降りて来られました。あんなとこでこけたらそれこそ悲劇です。
皆様有難うございました。そしてお疲れ様でした。
下道で三重方面へ帰られる方々と別れ関ケ原ICへ。その前に【薬草の湯】の看板を見つけそこに寄ります。
駐車場から温泉施設に向かう途中、伊吹山の雄姿が目に飛び込みます。
「うわあ、綺麗!」カメラを取りに車に戻りパチパチ。


2021年02月21日12時25分00秒 記



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