本日もメタボ治療。鳴った目覚ましを止めてから起きられません。惰眠の誘惑に魅せられそのまま転寝。
「ええのんか〜、誰かみたいなブサイクな体型になっても〜。」突然恐ろしい声が聞こえます。「あかん!」勇気を奮い立たせ布団をはねのけます。
歯を磨きながらも目は閉じたまま、あんたは夢遊病か。そして半分眠ったまま階下へ。シェーがお泊りしているので起こさないようそ〜っと。
テルモスのお茶を沸かしながら仕度をします。窓から車を見ると車の窓は凍っていないようです。お湯が沸くまでに暖気でもと車のエンジンをかけ、窓に付いた水滴を拭おうとワイパー。シャー!という音とともにまどが全面バリバリに。過冷却だったんですね。ワイパーによる外部からの刺激で完全に視界ゼロ。外気温表示はちょうど0℃、そりゃ凍りますわ。まだ温まってはいませんがデフロストにして一旦家の中へ。夏場に比べ余計な時間がかかります。ああ鬱陶しい。
寝坊の所為もありいつもより20分遅れででっぱつです。
四日市の街中から薄っすらと雪が残っています。今朝飛ばされてきたものでしょうか。名古屋では月が出ていたのに鈴鹿の山は分厚い雪雲に覆われているようです。なんだかいやな予感。遅い車がいなきゃ良いけど…。
菰野に入ると道路にシャーベット状の雪が。湯の山駅を過ぎると滑り易くなってきました。これぐらいが一番滑り易いんですね。時々ESPが点灯します。早めにESPオフ。こうしておけば滑りながらでも登って行きます。
マロニエホテル手前の橋のすぐ手前、坂道を登りきった辺りで車が一台右側の壁に張り付いています。搭乗者数人がごそこそやっています。その先には仲間らしい車がもう一台止まっています。これだけ人がいればなんとかなるでしょう。他人に冷淡なtanuoさんは関わり合わないようにスルーします。
内蔵助を過ぎた辺りで人が歩いています。あの姿はIお父さん? 近付くとやはりお父さんでした。
と言うことは4駆のワゴン車をお母さんに譲り今日は2駆で来たようです。同乗を促しても雪で汚れているからと固辞します。上で準備しているうちに着くだろうからと促され先に行きます。どうせ仕度の遅いtanuoさんの事、先に行ってもお父さんを待たせる事になるでしょう。
駐車場にはこの雪の中結構多くの車が停まっています。物好きがいるんですねえ。
仕度が終わらない内にお父さんが到着。結局待たせてしまいました。
7:30 a.m. 頃? でっぱつ。
今日はIお父さんと二人です。しんしんと雪の降る中を行きます。
中道入り口で先行グループをパスします。駐車場でお父さんと話していた人達です。お父さん曰く本谷会の人達だとか。
そこからは先行者無し。文字通りバージンスノーを踏みながらの登行です。気温が高く眼鏡が曇り盲運転です。浅い新雪に道が隠され段差を踏み外しながらヨタヨタと行きます。
雪は一向に止む気配はありません。絵になる景色も見えず灰色の世界をひたすら歩き続けます。ふ〜、暑い。
だんだん雪も深くなりますが降り立てのスカスカ雪、軽いのは良いのですが路面の様子が解らず相変わらずヨタヨタと盲運転。
小降りになったかと思いきや尾根に出ると相変わらずしんしんと降っています。今日は一日こんな天気でしょう。道路の雪も融けないかもしれません。
尾根筋で風が出てきたおかげで眼鏡の曇りがだんだんとれてきました。こりゃええわ。
大体鈴鹿の冬ってこんななんですね。べた雪で着ているものは濡れるわ、眼鏡は曇るわ。こんないやらしいコンデションより北アの方が余程快適です。まるで春山で霙に遭ったみたいです。だから鈴鹿ってキライ。
尾根上のザレ場手前、よく吹き溜まりになる所には例年のように吹き溜まりが出来ています。でもまだ少なめ。股まで潜る雪ってここ数年降っていませんねえ。ズボンを見ると既に湿雪でベタベタ。気温が低いとこんなに濡れる事は無いのですが。
それでも久しぶりの大雪に気分はウハウハ、ハイな気分です。
8:30 a.m. キレット着。
風が強くあまり雪は着いていません。
あれっ、これって本日一枚目の写真? まっ、良いか、写真を撮らない分雪遊びに夢中になっているって事でしょう。
キレットからの登り返し、凹角下でお父さんはアイゼンを着けます。靴ヒモが緩み易いのでアイゼンバンドで靴ごと固定しようと言う魂胆です。
tanuoさんは? 実は黙っていましたが、アイゼン、車の中に置いて来ちゃったんです。先週ザックがパンクして替えをNetで買ったのですが、公称30Lの割りに全然ものが入りません。それで天蓋にまたアイゼンホルダーを自作で着けたのですがイマイチ具合が良くありません。それで置いて来ちゃった訳です。どうせこんな雪だからアイゼンもいらないだろうと。全くtanuoさんの不精にも困ったものです。
お父さんがアイゼンを着けている間にtanuoさんは小休止。テルモスの熱いお茶をホーローカップに注ぎ、それで指先を暖めながら、また熱いお茶で身体の中から暖めながら。スキットルにウイスキーを入れて来るのも良いなあ。熱いお茶にウイスキーを垂らして飲むとムチャクチャ温まります。昔飲兵衛のtanuoさん、肝臓が悪い事も忘れ願望ばかりが膨れ上がっています。ホント困ったおっさんです。
そう言えばスイーツお姉さん、またの名を【ワンカップ姉ちゃん】、冬場はどうしているんでしょ。日本酒はシャーベット状に凍っちゃいます。冬はやはりアルコール度数の高いものがお勧めですよ〜。いや鈴鹿の昼間じゃ凍らんか。
お父さんも熱いお茶で一息ついてからでっぱつです。
北谷テラスは吹雪いています。ちゃっぷいので休み無しで掘割に突入。入り口には大きな雪の塀が出来ています。風紋が綺麗です。崩すのが勿体無いくらいですが、崩さにゃ通れん狭い道。
掘割の中は吹き溜まりになっておりスカスカ雪のラッセルです。ズルズル滑りながらの登行です。ゼーハーゼーハー息が上がりますがこれがまた快感なんですね。体内モルヒネのエンドルフィンが大量に分泌されているようです。アヘアヘ、カイカン。クライマーズ・ハイ。
ドンツキまで登り詰めると正面にはエルガーフェイス。う〜ん。日光が欲しい、青空が欲しい。いつもよりタイルの目地が太くなっています。綺麗やなあ。
岩稜帯に出て北側に回りこみます。氷でツルツルだといやらしい所ですが今日のように雪がたっぷり付いていると楽チンです。トラバースもサクサクのアスピリンスノー、上のテラスへの登りも今日は雪がたっぷり付いているので足場に困る事はありません。
9:25 a.m. 上のテラス着。
さてここからが本日の核心部、最も雪の深いところです。
部分的に胸以上の所もあり雪を掻き落としながらのラッセルです。遅々として進みませんが、一歩づつ着実に進んで行きます。
しんしんと降る雪の中、聞こえるのは激しい息遣いのみ。そして大量のエンドルフィン分泌によるえもいわれぬ快感。雪、だ〜いすき。
最後の急坂を登り終え傾斜が緩くなると富士見岩はもう直ぐ。
9:50 a.m. 富士見岩着。
時刻記録の為パチリ。でも絵にはなりませんなあ。
疲れた身体に鞭打ちながら朝陽台に向かいます。積雪も膝下程度ですが低温の雪は踏んでも固まらず抜いた足の跡を直ぐに埋め戻してゆきます。「ええ雪やなあ。スキーには最高の雪やなあ。」
9:55 a.m. 朝陽台着。
さすが御在所、山頂は大勢のアマチュアカメラマンで賑わっています。新聞で紹介されたりして多くの人が来ているようです。ロープウェイ営業も業績アップとなり御在所の手入れには好都合です。皆さんどんどんお金を落としてくださいね〜。tanuoさんは未だかって乗った事はありませんが。
Iさん夫妻も先週日曜日に山頂で中日新聞の取材を受けたそうです。残念ながら新聞の写真には写っていませんでしたが。
休憩所の屋根の下でテルモスのお茶で暖を取りながら朝御飯にコンビにオニギリ。今日はずっとこんな天気のようです。寒いし温泉が恋しいのでここから来た道を引き返す事にします。結局中道も最初にパスしたグループしか人を見ていません。他の道には人が入っていない可能性が高くリスクが大きいですから。
そうと決まれば山頂の証拠写真でも。ホント今日は全く撮っていません。
10:05 a.m. でっぱつ。
さくさくの雪を蹴散らしながら降りて行きます。自分達の作ったステップを崩したりトレースを外し急斜面の深雪に突入したり。この浮遊感、堪りませんなあ。
調子に乗っていたら足を酷使し過ぎたようです。後で足に鈍痛が。年寄りは自重しないといけません。
11:00 a.m. 駐車場着。
乗って行くように勧めましたがお父さんは歩いて行くと言います。朝陽台往復だけでは物足りないようです。しかしタフですねえ。筋トレなのか腕立て伏せや懸垂をやっているそうです。tanuoさん完全に負けています。
温泉チケットで鹿の湯で落ち合う事として解れます。グズのtanuoさんはまたお片付けに時間をかけています。雪が舞っているものですから車の中でゴソゴソと。そのくせ車の上の積雪には全くお構いなし。「ブレーキ踏みゃあ屋根の雪も落ちるわ。」
ワイパーでフロントの雪を掻きでっぱつです。リアの窓は視界ゼロ。「車を振りゃドアミラーで後ろは見えるわ。」我ながらホント不精な人です。
鹿の湯の入り口の駐車場を見るとスペースが開いています。そこまで行き停めようとするとバスターミナルの駐車場に停めるよう指示されます。「ゲゲッ、あんなとこからドロドロ雪の道をこんな所まで上がってこれんじゃん。」今日も草履履きのtanuoさんです。
お父さんには悪いけど背に腹は換えられません。鹿の湯はパス、下の方にあるグリーンホテルなら道の雪も融けているでしょう。
てな訳でグリーンホテルへ。思ったとおり草履でも大丈夫でした。お父さんゴメン。
お湯に浸かりながら悲鳴をあげていた足の筋肉をほぐします。しかし弱くなったなあ。寄る年波には敵いません。
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